2015 Fiscal Year Research-status Report
1塩基単位の組換え率推定に基づく病原細菌13種のゲノムの組換えのホット領域の解析
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15K21554
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
矢原 耕史 久留米大学, 付置研究所, 講師 (70542356)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 組換え / 進化 / 細菌 / ゲノム / 自然選択 / 病原性 / 集団遺伝 / 情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が最近開発した手法(Yahara 2014. Mol. Biol. Evol)を、Oxfordの有する病原細菌種全般を対象としたゲノム配列データ(BIGSdbデータベース)に、当初の予定通り適用することができ、比較の容易な10種に関して組換えのホット領域の全貌を明らかにすることが出来た。具体的には、細胞の表面・膜に関する遺伝子はしばしば組み換えのホット領域に存在し自然選択を受けていること、一方で病原性遺伝子は必ずしも組み換えのホット領域に存在する訳ではないこと、ハウスキーピング遺伝子の組み換え率は他の遺伝子よりも低い傾向がどの種にも見られること、総じてゲノム内での組換えのランドスケープ(組換え率の分布)は近縁種間でも大きく異なり得ること、などを明らかにした。1塩基単位の高解像度での組換えのランドスケープを、計10種で明らかにし、種間で共通の特徴と各種に固有の特徴の両方を明らかにした、全生物で初めての研究成果となった。この成果を、一流誌(Molecular Biology and Evolution)に出版し、国内シンポジウムで発表し、4つの国際学会・シンポジウムで発表することが出来た(うち2つは、この分野の最先端の研究者が集結したシンポジウム http://www.sheppardlab.com/notmolepi2015およびhttp://www.pneumogen.net/smbe/での依頼・招待講演であり、残り2つは、国際学会のkey noteレクチャーおよび国内学会主催の国際シンポジウムhttp://www.aeplan.co.jp/sgmj2016/International_symposium.htmlでの依頼講演であった)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に述べた通り、論文出版と国際学会発表の双方で、計画以上の達成を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の達成度を継続していけるよう、研究計画に基づいて、今後も日々出来る限りの努力する。
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Research Products
(7 results)