2015 Fiscal Year Research-status Report
TD-SOMを用いたチームスポーツにおける状態クラスタリング器の開発
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15K21570
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Research Institution | Nishinippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
武村 泰範 西日本工業大学, 工学部, 准教授 (10581580)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スポーツ心理学 / スポーツ科学 / 情報処理 / 自己組織化マップ / Tensor SOM |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツにおいて、個々の適正がチームの状態に影響することは明らかであり、身体的な特徴や心理的な特徴といった点からも多くの研究がなされている。しかし、2つの特徴やスタッツなどの結果との関連性についてチームスポーツ内の状態を同時に把握する手段はほとんどなく、相対的な評価や訓練方法の提示を行うためにも重要な課題である。 本研究では、チーム内における身体的な特徴や心理的な成熟度などのチーム状態をクラスタリングし、提示できるシステムの構築を目指す。そこで、本研究ではテンソル型自己組織化マップ(Tensor SOM)を利用したシステムの構築を目指している。 本年度は、初年度の基礎研究として、周辺研究調査や統計的処理を利用したデータ解析を行った。対象としては、バレーボール選手を対象としてデータの取得を行った。取得してるデータとして、身体的特徴データ(10項目)とDIPCA.3を利用した心理的特徴データ(16項目)を現在取得している。統計的な見地からのデータ解析を本年度は進めており、チーム内における平均値、分散値や相関などの関係性評価を行った。また、心理的特徴データにおいては、優位性がレギュラーと非レギュラーや各ポジションにおいてないかなどの検討を行っている。来年度における準備として、センサなどの選定や生理データなどの習得について検討しており、複数の観点から必要なデータ情報の選定や取得方法を検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、Tensor SOMを利用した団体スポーツにおける関係性の把握に着目している。初年度は、データの収集方法や関連研究調査を主に行った。今回の研究では、バレーボール選手に着目してデータの取得を行うことに決定した。バレーボールは、団体スポーツにおいても特に連携することが多く選手間の関係性が重要となる。また、選手交代も頻繁に行われるため状況がダイナミカルに変化することも選択した理由である。 本年度は、データの収集方法などを検討した。現在は、身体的データとして身長、体重、握力(左右)、長座、前屈、背筋、垂直跳び、立ち幅跳び、反復横とびといった項目を選定し、バレーボールに必要なスキルの計測を行った。また、心理的データとして心理的競技能力診断検査用紙(DIPCA.3)を用いたデータの取得を行っている。また、大会におけるスタッツデータなどを習得することにより、多次元なデータからの解析を目指している。 同時にTensor SOMアルゴリズムへの適応方法を検討しており、概ね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に取得して標準化されたデータを用いた実際のアルゴリズムの完成を目指す。また、アルゴリズムから提示された2次元のマップ群を用いて選手間の関係性や特徴の把握に利用可能かを検討する。本年度の目標としては、まずアルゴリズムに適応できるためのデータの継続的な習得を行いデータの時系列による変化などを表現できるかなどの検討も行う。 また、競技会などの日程の前後などによって心理的状況や身体的な変化がどのように現れるかを検討する。具体的には、心理的不安に関する心理的な項目や試合中の緊張度などを計るための生理的データなどの取得を行い入力されるデータとして必要性などを検討する。 また、最終年度には、チーム活動への反映を目標とするため、何が提示できるかを本年度に検討し、運営陣と出力に関する項目の検討を行う。また、他のスポーツへの展開も考えることができるため並行して新たな競技のデータ取得も同時に行い。汎用性の検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、研究調査に関する項目が旅費の主な項目であり、また学会発表が近隣地域ということもあり旅費に関する予算種出が少なくなっている。また、実験にも実質人件費が必要とされなかったため支出がない状態となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度における旅費及び調査のための旅費として使用し、実験における人件費も本年度予想されるため、その補填を行うことで使用する予定である。
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