2015 Fiscal Year Research-status Report
積雪地における未就園児とその母親の外出の季節変化からみた子育て環境に関する検討
Project/Area Number |
15K21579
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
菊池 幸恵 (鳥井幸恵) 函館工業高等専門学校, 社会基盤工学科, 准教授 (60568765)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子育て環境 / 未就園児 / 母子の居場所 / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、積雪寒冷地において未就園児とその母親の外出を支援するための育児環境の整備に向けた基礎的研究として、積雪期/非積雪期の両期において母子の外出行動の実態と地域特性及び個人・世帯特性との関係性から母子の居場所について考察し、積雪寒冷地における母子の居場所の確立に関して提言を行うことを目的として、そのために以下の研究を実施し、検討を進めた。まず、初年度の基礎研究として、研究対象地である北海道函館市全域における土地利用の概況、及び対象地域(本町地区、美原地区、桔梗地区)における詳細な土地利用状況を住宅地図等の文献調査及び現地踏査等により把握した。その結果を踏まえて、対象地域周辺における公園や遊び場空間の構成に関する現地踏査や文献調査等、および子育て支援施設(児童館、子育てサロン、幼稚園、保育園等)、商業・公共施設内の子育て支援設備(おむつ替えや授乳スペース等の設備)及びそれら施設・設備周辺に関する空間構成等に関する現地踏査や文献調査を進めているところであり、得られた結果をもとにデータ分析や空間分析を行い、対象地域における未就園児とその母親の外出を支援するための育児環境の整備に対して空間計画的観点から検討を行う予定である。 また、函館市が実施している子育て支援事業の詳細な内容、及び子育て支援施設における子育て支援の内容、利用状況、管理・運営、利用スペースの状況などに関して文献調査や関係機関等に関するインタビュー調査等を実施し、子育て支援等の内容の把握を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由としては、対象地の空間状況や子育て支援の状況把握等に関する調査を平成27年8月頃に実施する予定ではあったが、対象地域が広域であることや土地利用状況等が複雑であったこと、子育て施設や子育て支援事業を実施している関係機関への調整等に手間取ってしまったことなどが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
対象地域周辺における公園や遊び場空間の構成に関する現地踏査や文献調査等、および子育て支援施設、商業・公共施設内の子育て支援設備及びそれら施設・設備周辺に関する空間構成等の把握を行い、子育て空間のデータベースを構築する。それらの結果をもとに、積雪期/非積雪期において、子育て支援施設を利用している未就園児とその母親に対して、個人及び世帯特性、そして、平日と休日における外出行動の実態を把握するためにアンケート調査を行う。この結果をもとに、各対象地域における未就園児とその母親の個人及び世帯特性、実態状況を量的かつ質的にデータ解析を行う。外出空間の状況に関して、アンケートで得られたデータを地図上にプロットし外出行動の特徴及び外出行動圏を明らかにし、個人・世帯属性との関係性を分析する。また、外出行動・空間の特徴ごとに分類し、その空間特性と利用状況との関係性に関する分析を行う。これらの結果をもとに、積雪期/非積雪期の二期において比較し、積雪寒冷地における母子の居場所となっている空間、そして居場所となる可能性をもつ空間に関する考察を行う。また、調査結果をまとめたものをもとに、函館市における子育て環境の状況及び母子の居場所確立への提案に関するホームページ開設・公開する。
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Causes of Carryover |
平成27年度に実施予定だった未就園児と母親に対するアンケート調査が実施できなかったため、当該調査にかかる経費が残り、次年度への使用額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度8-9月頃:非積雪期における未就園児と母親に対するアンケート調査の実施(平成27年度に残った助成金を用いる予定)
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