2016 Fiscal Year Research-status Report
積雪地における未就園児とその母親の外出の季節変化からみた子育て環境に関する検討
Project/Area Number |
15K21579
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
菊池 幸恵 (鳥井幸恵) 函館工業高等専門学校, 社会基盤工学科, 准教授 (60568765)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子育て環境 / 未就園児 / 母子の居場所 / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
積雪寒冷地では, 1年の約1/3を雪と共に暮らす生活であり、積雪期には天候や路面凍結などによる影響や積雪によって、外出行為の制約を余儀なくされているため、とりわけ未就園児とその母親の引きこもりが助長されていく点が懸念される。以上のことからも、本研究は、積雪寒冷地において未就園児とその母親の外出を支援するための育児環境の整備に向けた基礎的研究として、積雪寒冷地において積雪期/非積雪期の両時期において、未就園児とその母親の外出行動の実態と地域特性及び個人・世帯特性との関係性から母子の居場所を考察し、積雪寒冷地における母子の居場所確立に関して提言を行うことを目的としている。そのため、平成27年度及び平成28年度にかけては、対象地市全域及び対象地域の土地利用・道路等の空間状況、自治体の子育て支援事業の概況及び対象地域内の子育て支援施設の状況に関して、文献調査及び現地調査などにより把握を行った。この結果を踏まえ、今年度は、積雪期(2月)と非積雪期(9月)の二期に分けて、対象地域における未就園児を子育て中の母親を対象に個人・世帯特性及び外出行動に関するアンケート調査を実施し、対象地域ごとに積雪期/非積雪期の二期において調査結果の比較・分析を行い、母子の外出行動の実態と地域特性及び個人・世帯特性との関係性を明らかにし、積雪寒冷地における母子の「居場所」となっている空間、そして「居場所」となる可能性をもつ空間に関して考察を行い、積雪寒冷地における母子の居場所確立に関する提言を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年度から対象地区の土地利用状況調査等を実施したが、対象地区は、近年、土地開発が急速に進み、調査に用いている最新版の地図データ等の内容と現況とに相違がある場合も多く、現地調査の実施が必要になった。この調査が予定よりかなり増え、研究の遂行に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、関係機関に協力を要請し、対象地域における子育て支援施設を利用している未就園児を子育て中の母親に対して、個人及び世帯特性、そして、平日と休日における外出行動の実態を把握するために非積雪期(9月)と積雪期(2月)の両時期にわたりアンケート調査を行う。 その後、この調査で得られた結果をもとに積雪期/非積雪期の二期において比較し、未就園児とその母親の外出行動の実態と地域特性及び個人・世帯特性との関係性を明らかにし、積雪寒冷地における母子の居場所となっている空間、そして居場所となる可能性をもつ空間に関する考察を行い函館市における子育て環境の状況及び母子の居場所確立への提言を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度に調査実施を予定しているため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査に掛かる物品購入及び旅費を使用する計画である。
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Remarks |
キャンパス・コンソーシアム函館 合同公開講座 「函館学2016」第5回講義 担当 「函館の子育て環境とまちづくり」2016年 10月
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