2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high speed deposition method of DLC films by ICP / PSD plasma CVD hybrid system
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15K21580
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
鎌田 貴晴 八戸工業高等専門学校, 産業システム工学科電気情報工学コース, 助教 (50435400)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 擬火花放電 / アモルファスカーボン膜 / ダイヤモンドライクカーボン膜 / ラマンスペクトル / XPS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ホローカソード効果により拡散した放電を形成する擬火花放電をプラズマCVD法のプラズマ源に用いて、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の成膜装置の開発である。 今年度は膜特性(膜硬度)の向上を目的に、基板電圧を-300 Vに高め、その効果について調べた結果、基板電圧-100 Vで5.0 GPaであった硬度が、5.8 GPaと向上した。また、膜中のsp3/(sp2+sp3)割合をXPSスペクトルから見積もった結果、その値が向上していることも確認した。次に、擬火花放電電極間にフローティング電極を追加した多重電極化の初期実験を行った。1枚のフローティング電極を挿入することで、気圧に対する絶縁破壊電圧特性が挿入前に比べて、低気圧方向にシフトしたが、実験気圧(17 Pa程度)ではその絶縁破壊電圧値に大きな差は見られなかった。また、その特性から放電路が電極間の最短距離も長い放電路が形成される擬火花放電の形成を確認することができた。トリプルプローブ法を用いて、フローティング電極の有無でイオン密度を比較した結果、未挿入に比べて挿入時はイオン密度がわずかに減少することが確認され、且つ、プラズマが継続して撃ち出されない問題を確認された。最後に、ICPによる水素原子注入システム追加を目的に、まずはICP単独動作によるその基礎特性を調べたところ、RF電源によって投入電力300 Wの条件において、ICPコイルからおよそ200 mmの位置のイオン密度が10^12 cm^-3オーダーであることがわかった。また、実験気圧14 Paの下、RF投入電力を50~300 Wまで変化させ、電流電圧波形の位相差を波形から計測した結果、投入電力に対して位相差の変化を確認した。100 Wまでは位相差が90°に近づいていき、その後減少傾向が見られたが、300 W以降、再び位相差の増加が見られた。
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