2015 Fiscal Year Research-status Report
災害教訓を活かした実効性のある福祉避難所の設置・運営の実現に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
15K21590
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
宇野 宏司 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00435439)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 福祉避難所 / 自然災害 / アンケート調査 / ヒアリング調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者施設が半数以上を占める福祉避難所は,高齢社会の到来により,今後もその需要の増加が見込まれているが,全国的に指定が進んでいない状況にある.平成20年には同施設の設置・運営に関するガイドラインが出されたが,近年起きた高齢者施設を巻き込む災害での教訓を継承するものとはなっていない.本研究では,行政,施設管理者,利用者といった様々な立場の関係者の観点から,福祉避難所の設置・運営に際しての必要な知見やボトルネックとなる事項を明らかにするとともに,空間情報を活用した被災リスク分析や福祉避難所の将来需要予測を行うことで,より実効性の高い福祉避難所を整備していくための方法を提案しようとするものである.研究初年度にあたる平成27年度は,大阪湾圏域の大阪府・和歌山県・徳島県の沿岸自治体の行政及び福祉避難所に指定されている施設の管理者を対象としたアンケート調査ならびにヒアリング調査を実施し,被災が想定されるハザードの種別や,福祉避難所として開設するにあたっての現状と課題を明らかにし,その成果の一部は学会等で公表することができた.また,津波浸水域等の空間情報をもとに被災リスクの検証や,過去の被災地での実態把握調査を行った.一連の調査からは,どの自治体においても福祉避難所運営のあり方については手探りの状況であることが明らかにされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は,大阪湾圏域の大阪府・和歌山県・徳島県の沿岸自治体の行政及び福祉避難所に指定されている施設の管理者を対象としたアンケート調査ならびにヒアリング調査を実施し,被災が想定されるハザードの種別や,福祉避難所として開設するにあたっての現状と課題を明らかにし,その成果の一部は学会等で公表することができた.また,津波浸水域等の空間情報をもとに被災リスクの検証や,過去の被災地での実態把握調査を行うなど,当初の研究計画どおりに進んでいるものと判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,昨年度実施できなかった兵庫県下の自治体について,行政及び福祉避難所に指定されている施設の管理者を対象としたアンケート調査ならびにヒアリング調査を実施し,調査データの拡充を図るとともに,本研究の骨子の一つとなる将来需要推計を行うための,関連情報の収集,解析手法の習得を行う.また,熊本地震等の新たに発生した災害を対象に,福祉避難所関連の調査を実施し,新たな課題の発見や普遍的な問題点の洗い出しを行う予定である.また,得られた研究成果については,中途の段階から積極的に公表することで,内容のスパイラルアップを図る所存である.
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Research Products
(3 results)