2017 Fiscal Year Research-status Report
放射線汚染がアカネズミ個体群の遺伝的多様性および自然選択に及ぼす影響
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15K21612
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
石庭 寛子 福島大学, 環境放射能研究所, 特任助教 (00624967)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アカネズミ / 放射線 / 次世代影響 / 次世代シーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、放射線によるDNAの突然変異を通して野生生物の集団中の遺伝的構造に及ぼす影響を明らかにするため、森林に生息する小型げっ歯類アカネズミ(Apodemus speciosus)を対象に、福島県内において放射線の年間積算線量が20mSvを超える帰還困難区域で本種の捕獲を行い、DNA変異の次世代影響を評価することを目的としている。DNA突然変異の評価手法として、ゲノム全体の0.1から1%を網羅的かつ迅速に解析することができるRADシーケンス(Restriction site Associated DNA Sequence)法に着目し、アカネズミのゲノム配列情報を用いてin silico解析による制限酵素の選定、および得られた大量データを解析するためのプログラムとパイプラインの構築を行う。 平成29年度は、昨年度のメス個体と胎仔との遺伝子配列の比較に加えて、オス個体とその精子細胞との遺伝子配列の比較を行うために、(1)エクソンやイントロン領域を多く含む解析効果の高い制限酵素の選択、(2)実際のサンプルを用いた実験、(3)シーケンスから得られたデータを高速に解析できるプログラムの構築を行う予定であったが、申請者の所属変更に伴い研究実施環境が変わったため計画の遂行は困難となった。そこで、研究計画の見直しを行い、上記理由による補助事業期間の1年延長を申請し、さらに新所属先で本研究遂行に必要な備品や機器類を揃え、研究環境の整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度中に研究代表者の所属変更に伴い、新たに研究環境を構築する必要があったため、全体の計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間を1年延長の承認が得られ、研究環境も整えることができたため、本来の計画通りオス個体とその精子細胞との遺伝子配列の比較をRADシーケンス法を用いて実施する。
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Causes of Carryover |
補助事業期間の1年延長を申請し、研究環境を整える目的にのみ資金を使用したため、次年度へ使用額が持ち越しとなった。 次年度は、本来の計画通り試薬類の購入にあてる。
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