2016 Fiscal Year Research-status Report
新たな林地利用を踏まえた森林の多面的経営の成立条件の解明
Project/Area Number |
15K21615
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
平野 悠一郎 国立研究開発法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 主任研究員 (00516338)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トレイルランニング / マウンテンバイク / 多面的経営 / 地域活性化 / 通行利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の森林に対するニーズの多様化の内実を把握し、それらの利用の普及状況、および相互の棲み分けにおける障害と可能性を明示するとの研究目的に照らして、トレイルランニングを中心に、ウォーキング(フットパス・ロングトレイル事業)、マウンテンバイク、サバイバルゲームの林地利用に関する実態調査を行った。その結果、 1:ウォーカーや土地所有者との利用をめぐる対立を解消する目的から、トレイルランナーやマウンテンバイカーによる地域活性化への貢献活動が多様化しつつ加速していること。 2:その具体的な内容として、過疎化の進む山村地域への定住、集落維持活動(祭礼、清掃、自治会運営等)への定期的な参加、森林整備への協力、自力での登山道の維持整備や里道の再生といった活動が挙げられること。 3:その一方で、これらの新たな林地利用のユーザーによる地域貢献の取り組みを、権利や義務として保障する制度的基盤が見当たらないこと。 等が確認できた。1と2については、持続的管理の前提の下、日本の森林に対する多様なニーズ・便益の棲み分けと最大化を行う上での「可能性」を提示するものであり、3については、それにあたっての制度的な「障害」を端的に表している。 この障害の克服に関しては、イギリスでの実態調査を通じて、法的に保障された「通行権」と、その管理主体である地方行政部門の業務を通じて、ウォーキング、トレイルランニング、マウンテンバイク、ホースライディング等の多様な利用が持続的・効果的に調整されている状況が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度以降の研究実施計画通り、トレイルランニングの林地利用に関する補足調査と課題整理を行った。また、イギリスにおける先行事例の確認を目的とした海外調査、およびサバイバルゲームの林地利用に関する初期的な調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
サバイバルゲームの林地利用に関する本格的な実態調査を実施する。また、これまでの日本の新しい林地利用に関する調査結果、およびアメリカ、イギリスにおける先行事例の調査結果を踏まえて、持続的管理の前提の下、日本の森林に対する多様なニーズ・便益の調整・最大化を図るにあたっての可能性と課題を明示する形で、本研究の成果の取りまとめを行う。
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Causes of Carryover |
トレイルランニングの林地利用に関する投稿論文が次年度にずれ込んだため。この投稿料として想定していた額が残ることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究課題の成果としての学術論文の投稿料として次年度に使用する。
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Research Products
(2 results)