2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K21618
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
森下 祐樹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, バックエンド研究開発部門 核燃料サイクル工学研究所 放射線管理部, 技術員 (20631401)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 狭隘部 / α線 / プルトニウム / シリコンフォトマル / ラドン子孫核種 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、狭隘部の測定が可能な可搬型小型α線検出器の開発を行った。検出器部はシンチレータ、ライトガイド、光検出器で構成した。シンチレータは試験的にZnS(Ag)シンチレータを用い、光検出器にはシリコンフォトマルアレー(Si-PM Array)を用いた。シンチレータは遮光を目的としたアルミ蒸着マイラーで覆った。検出器部はケースに封入され、そのケースには可動性のアームを取り付けた。開発した検出器の基礎的な性能を評価し、エネルギー分解能は5.5MeVα線に対し40%程度と余り良くないが、空間分解能は0.4mm程度と優れていることが判った。プルトニウム粉末とラドン(222Rn)子孫核種の混在試料を測定し、バックグラウンドの222Rn濃度が高い状況下でもプルトニウムの検知ができることが明らかになった。また、検出器サイズは26mm×26mm×15mmと非常に小型であり、従来からプルトニウム汚染検知に用いられるZnS(Ag)サーベイメータでは測定が不可能で、かつ汚染の可能性の高い、グローブボックスの配管のフランジ部やバッグイン・バッグアウトポート等の汚染検知に有用であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、可搬型小型α線検出器の開発は終了し性能評価を終了した。今後、核燃料物質取扱い施設での汚染検知に適用し、有用性を評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
プルトニウム粒子の弁別が可能な最適な条件を評価する。さらにプルトニウム粒子の取扱われる施設の現場でのプルトニウム汚染の検知に適用し、既存のZnS(Ag)サーベイメータ等と比較した有用性を評価する。現場での試験で得られた課題点を開発する検出器にフィードバックしさらなる改良を目指す。
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Causes of Carryover |
当初、MPPCを6つ購入することとしていたが、基板の製作にコストがかかるため、MPPC1つの購入としたため、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度発注予定の実験用消耗品の費用に当てる。
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