2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on regulatory mechanism for oscillation and switch-like response of NF-kB
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15K21624
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
井上 健太郎 宮崎大学, 工学部, 助教 (80708529)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 数理モデリング / シミュレーション / NF-kB |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、NF-κBの振動とスイッチライク応答のダイナミクスを引きおこすネットワーク構造間の関係について、数理モデルと生物実験により解析を行った。数理モデルは47の微分方程式、189のモデルパラメタから構成される。NF-κBの振動とスイッチライク応答を再現できる1つのパラメタセットに対して、感度解析、摂動解析、分岐解析を行った。その結果、振動とスイッチライク応答の分子制御メカニズムは、すべてが同じ制御ではないことが示された。振動に関しては、NF-κBのタンパク質の総量が増加すると、振動を起こしやすくすることが示された。これらの数理モデルの結果は、実験的にも示された。 上記の数理モデルは1つのパラメタ値のセットに関してだけ解析を行っていたが、モデルの信頼性を上げるため、異なるパラメタセットでも同様の結果が得られるかを確認するため、パラメタ探索を行った。しかし、モデルパラメタ数が多く、従来のパラメタ探索法ではパラメタ値を広く探索することができなかった。そこで、実験データに基づいて探索パラメタ数を減らすように遺伝的アルゴリズムの改良を行った。改良法は既存手法と比較する小規模なモデルに関しては、既存手法より高速にパラメタを探索することができたが、NF-κBモデルへの適用がいまだできておらず、さらなる改良が必要である。NF-κBモデルのような大規模な数理モデルに関して、多様なパラメタセットが探索できる手法の開発が今後の課題である。
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Research Products
(3 results)