2016 Fiscal Year Research-status Report
C末端標識によるタンパクの高感度かつ高精度LC-MS法と脱アミド化評価法の開発
Project/Area Number |
15K21662
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
坂口 洋平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 物質計測標準研究部門, 研究員 (10712507)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | LC-MS / タンパク質 / ペプチド / アミノ酸 / 誘導体化 / カルボキシル基 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体試料中短鎖ペプチド(6アミノ酸~13アミノ酸)定量への応用 前年度は短鎖ペプチドをモデル化合物として本誘導体化の基礎検討及び再現性、定量性について確認を行った。当該年度は、基礎検討を行った本誘導体化法を用いて、短鎖ペプチド(6アミノ酸~13アミノ酸)を対象とした生体試料分析へ応用した。アンジオテンシン1~4、ブラジキニン、ニューロテンシンを分析対象とし、ヒト血清分析を行った。対象とした短鎖ペプチドはいずれは本法によりカルボキシル基が誘導体化され、LC-MS分析における高感度化が確認された。そのため特別な濃縮操作、前処理等を用いずに血清中に含まれる微量のペプチドを定量することが可能であった。また、同位体希釈質量分析法を使って本法の生体試料を対象とした定量性における妥当性評価を行った結果、精確な定量が行えていることが確認できた。以上の結果より、本法は生体試料中の微量な短鎖ペプチド及びアミノ酸の定量において有用であることを示すことができた。 タンパク質分析への応用 前年度、当該年度までに短鎖ペプチドを対象とした誘導体化法を開発し、生体試料中分析へ応用した。本法をさらに発展すべくタンパク質分析へ応用した。タンパク質を対象とする場合は、消化酵素を用いて断片化した後に、本法を用いてカルボキシル基を誘導体化し、LC-MSにて定量することとした。本研究のモデル化合物としてヒトインスリンを選択し、V8プロテアーゼにより断片化を行った。得られた断片化ペプチドは、短鎖ペプチドと同様に本法によりカルボキシル基が誘導体化され、LC-MS分析における高感度化が確認された。今後は、短鎖ペプチドと同様に生体試料中分析が可能かどうかを検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した通り、二年目に予定していた基礎検討、応用実験が概ね完了したため
|
Strategy for Future Research Activity |
タンパク質を対象とした更なる基礎検討、応用実験を行う。
|
Causes of Carryover |
前年度より引き続き研究を行っていたため、計上したほど消耗品等を必要としなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今回生じた使用額を物品費として使って行きたいと考えている。
|
Research Products
(3 results)