2016 Fiscal Year Research-status Report
好中球のRhoキナーゼ活性で冠動脈病変の進行と病態を予測する事ができるか?
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15K21697
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
渡邉 琢也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 研究員 (20627509)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移植心冠動脈病変 / 好中球のRhoキナーゼ活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な冠動脈病変の進行を予測し、早期に治療介入をすることは循環器病学の重要課題の一つである。本研究の研究項目は、冠動脈病変の進行予測のバイオマーカーとして着目した好中球Rhoキナーゼ活性と①動脈硬化病変の重症度、組織性状、②心臓移植後の冠動脈病変の進行、そして③これらの病態における長期的な心血管イベントとの関連性について検討することである。 初年度(平成27年度)で、Rhoキナーゼの活性と冠動脈硬化病変の重症度(狭窄度や病変数、病変組織性状)との関連性を検証するために、冠動脈硬化症を疑われ。冠動脈造影検査を施行する患者を対象とし、末梢血好中球のRhoキナーゼ活性を測定し、冠動脈造影上の冠動脈相可病変の重症度との関連性を収集した。本年度(平成28年度)は、対象患者75例の血液サンプルを用いて、引き続き基礎的な検証を進めている。 また、心臓移植後の冠動脈病変の進行に関与する因子の検証を進めるために、心臓移植後患者の冠動脈に対して三次元血管内超音波検査解析を行っている。これまでの論文、学会発表の成果(Transplantation 2016 acccepted、International journal of cardiology 203(2016) 307-314)に加え、心臓移植後患者の新規の免疫抑制薬であるエベロリムスへの変更が病変の進行を抑制することを示した論文は、第7回臨床医学研究塾で、研究奨励賞を受賞した。 レシピエントの上腕動脈の血流依存性血管拡張反応により評価される末梢血管の内皮機能の低下が、冠動脈病変の重症度と関連することを報告(日本血管生物医学会2016 YIA 受賞)した。その中で、レシピエントの末梢結果の内皮機能が、心臓移植前の喫煙と移植後からの経過年に影響を受けていることを報告した(国際心肺移植学会2016、国際移植学会)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
好中球のRhoキナーゼ活性と冠動脈病変の重症度との関連性において、好中球Rhoキナーゼ活性の解析が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
好中球のRhoキナーゼの解析について、採取されている血液サンプルを利用して計測を進める。 移植心冠動脈病変の進行予測の因子の検証について、引き続き臨床研究データの収集と解析を進める。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、新たな設備費用及び実験試薬の購入を要しなかったために研究費の支出が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、実験試薬の購入、研究成果をまとめるための学会発表及び論文発表に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)