2017 Fiscal Year Research-status Report
集団的意思決定における戦略的行動、限定合理性と主観的妥当性
Project/Area Number |
15K21763
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河村 耕平 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 集団的意思決定 / 投票モデル / 複数人コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度においては、本研究課題により主に3つのプロジェクトを進めた。 投票理論のプロジェクトでは、Vlaserosとの標準的投票モデルの非対称均衡についての検討を行った。昨年度中に一旦草稿執筆に至ったものの、効率性の証明に不十分な点があることが分かり、その修正が主な課題となった。年度中に修正作業が終了し、同時に拡張の方向性について一定の知見が得られた。 多人数間における意思決定と情報伝達に関しMark Le Quement(イースト・アングリア大学准教授)を新たな共同研究者に迎え、動学的チープトークゲームを構築し、大幅に分析を進めた。その成果をセミナー(海外1件、国内3件)・学会報告(海外1件)で報告し、並びに論文執筆を行った。 集団意思決定の主観的妥当性に関するプロジェクトについては、Veszteg(早稲田大学准教授)に加え、Daniel Marszalec(東京大学講師)と、実験デザインについて継続的に議論を行っており、具体案が固まりつつある。 投票の実験・行動経済学的分析は、共同研究者および提携相手方研究機関とのスケジュール調整が難航し本実験実施が出来なかったため、平成30年度には実験実施・分析が可能になる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投票実験に計画より遅れがあるものの、動学チープトークモデルの構築と分析、その研究報告が予想を上回るペースで進展したため、全体としては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
投票理論のプロジェクトについてはまず執筆済みの論文を投稿する前に、その拡張(特に多数決以外の投票ルール)について再検討する。その上で、それぞれ得られた結果を一つの論文としてまとめるのか、二つの別の論文とするのかを決定する。 動学的チープトークについては、これまでの学会・セミナー報告に加え、少なくとももう2つの国際学会における報告が予定されている。年度内に現在の草稿にフィードバックを取り入れ、学会誌に投稿する。 集団意思決定の主観的妥当性に関する実験、および投票実験に関しては、できるだけ早くスケジュール調整を行い、本実験を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度は金銭支払を伴う実験が行われなかったために次年度への繰り越しが生じたが、平成30年度の実験実施に使用される予定である。
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Research Products
(4 results)