2018 Fiscal Year Research-status Report
集団的意思決定における戦略的行動、限定合理性と主観的妥当性
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15K21763
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河村 耕平 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30787817)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 集団的意思決定 / 投票モデル / コミュニケーション / 限定合理性 |
Outline of Annual Research Achievements |
投票理論のプロジェクトでは、Vlaserosとの標準的投票モデルの非対称均衡について引き続き検討を行った。単純多数決下の効率性の証明を完成した後、結果を単純多数決から特別多数決へ拡張する着想が得られたため、大筋の証明を完了して学会報告を行った。 動学的チープトークゲームの論文(Le Quement との共同研究)は、昨年度と今年度の研究報告におけるフィードバックに基づいて理論的に得られた結果の解釈を様々な角度から検討し論文を完成させ、学術誌に投稿した。 下地誠(英ヨーク大学准教授)、山下拓朗(仏トゥールーズ大学准教授)と大学ランキング等の「順位付け」における、順位付け機関とその情報の受け手のインセンティブについての理論分析を開始した。ヨーク大学への2度の出張により、論文執筆の足がかりとなる、基礎モデルの設定を複数検討した。 中央銀行の情報伝達に関する小橋洋平、鎮目雅人、上田晃三(共に早稲田大学)との共同論文について改訂を行い、Journal of Economic Dynamics and Control に出版された。 寡占市場の価格付けの調整速度に関する実験を行い(船木由喜彦、上田晃三(共に早稲田大学)、宇都伸之(北陸大学)との共同研究)、その結果について学会・研究セミナー報告を行った。 投票の実験・行動経済学的分析は、英エディンバラ大学の共同研究者とのスケジュール調整が再度難航したため(特にエディンバラ大の実験室の運営状況の困難による)実験実施を日本に移すことを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年9月から研究代表者が所属学部の役職者となり、研究計画段階の見込みと比べて行政事務負担が急増したことにより、一部のプロジェクトの実施が応募段階の想定と比べてやや遅れている。これにより補助事業期間延長承認申請を行い、認められた。ただし研究課題に関する新たなプロジェクトには予想を上回るペースで進行したものもあり、全体としての遅れは軽微である。
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Strategy for Future Research Activity |
投票理論のプロジェクトについては、研究報告のフィードバックを取り入れて早急に論文を完成させ、学術誌に投稿する。 動学的チープトークのプロジェクトについては、学術誌からのフィードバックを基に、適宜改訂作業を行う。 「順位付け機関」のプロジェクトでは、基礎モデルを確定させて分析を進め、研究報告が可能な分析結果を得る。 寡占市場の価格付けの調整速度に関する実験論文は、これまでの研究報告のフィードバックを基に論文執筆を行う。 投票実験に関しては、再度実施体制を検討し、具体的なスケジュールを確定する。
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Causes of Carryover |
平成30年9月から研究代表者が所属学部の役職者となり、研究計画段階の見込みと比べて行政事務負担が急増したことにより、実験実施が遅れ、更に研究出張の回数も予定より減ったため、補助事業期間延長承認申請を行い、認められた。延長期間を活用して、計画された研究を着実に実施する。
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Research Products
(9 results)