2018 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of the Fanconi anemia-BRCA pathway
Project/Area Number |
15K21771
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷口 俊恭 東海大学, 医学部, 教授
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | DNA修復 / DNA損傷応答 / ファンコニ貧血 / リン酸化 / 抗がん剤感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性疾患ファンコニ貧血の原因蛋白と家族性乳癌卵巣癌原因蛋白BRCA1, BRCA2は共同してDNA損傷修復を制御するFanconi anemia(FA)-BRCA pathwayを形成する。我々はこのpathwayを制御する新因子として脱ユビキチン化酵素USP28を同定し、またFANCIのリン酸化・脱リン酸化がFA-BRCA pathwayの制御の鍵を握る現象であることを発見した。本研究はこれらの因子の解析を目的とし、FA-BRCA pathwayと腫瘍の抗がん剤感受性耐性との関わりの解明も目的としている。平成30年度にはFanconi anemia(FA)-BRCA pathwayの因子であるBRCA1, BRCA2に変異のある腫瘍がプラチナ製剤やPARP阻害剤に耐性になるメカニズムに関する我々の知見及び他のグループからの知見をまとめ、和文の総説論文(谷口俊恭. BRCA1・BRCA2 変異腫瘍におけるプラチナ製剤・PARP阻害剤耐性メカニズム. 放射線生物研究, Vol.53, No.3, pp178-210, 2018)を執筆投稿し出版した。USP28の機能解析を進めるためにCRISPR-CAS9システムを用いてUSP28のknockoutcellの作成に成功し、複数のクローンを樹立した。その結果、USP28 knockout細胞を長期培養し続けるとUSP28 knockdown細胞の表現型とは一致しない表現型に変化していくことがわかった。例えばUSP28 knockdown細胞も樹立直後のUSP28 knockout 細胞もRPA foci 形成が促進しているが、培養を続けるとUSP28knockout細胞のRPA foci形成促進の表現型が弱まる。これはFA-BRCA pathwayにおけるUSP28の役割を理解するために重要な情報である。次年度はこれらのデータをまとめた原著論文を投稿するとともに、さらにUSP28の解析を進める予定である。また、このプロジェクトから派生して、悪性腫瘍の一種である滑膜肉腫におけるFA-BRCA pathwayの機能異常がPARP阻害剤感受性に関与しているという仮説をたて、検証を始めた。こちらの解析も進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は和文総説1編の出版を追加できた。 平成29年度から新規に研究室を立ち上げたことを考えるとUSP28のknockout cellの作成と解析を行い、USP28制御に関する重要な新知見を得たことはおおむね順調な進展と考えられる。また派生する有望なプロジェクトである滑膜肉腫におけるFA-BRCA pathwayの機能異常の解析も始めることができたのは重要な進展と考えている。一方、FANCIの制御に関する研究は重要性が薄れたため行わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
主にUSP28のknockout cellを用い、USP28がFA-BRCA pathway を制御するメカニズムの解明を推進していく予定である。またがん(特に滑膜肉腫)におけるFA-BRCA pathway の機能異常がPARP阻害剤感受性に関与するメカニズムの解明も行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として4,870,398円が生じたが、これは科研費で雇用する予定だった当研究室の研究員が、大学のスタッフ及び研究員として大学に雇用されたため、人件費を節約することができたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今まで使用していた機器(顕微鏡及びルミノイメージアナライザー)が老朽化し更新が必要となったので、顕微鏡及びルミノイメージアナライザーを購入する予定である。
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Research Products
(3 results)