2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next geranaration solid-state NMR methods and applications to amyloid-ligand interactions
Project/Area Number |
15K21772
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 佳誉 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (40799045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 固体NMR / 高分解能化 / タンパク質 / アミロイド / 超高速MAS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、構造生物学の分野で近年進展が著しい固体NMRの次世代測定法開発とアミロイド構造生物学への応用を3つの課題を通して行った。NMR法の根本的問題である感度と分解能の問題を解決するため、(1) 超高速MAS法を使った微量生体試料観測のための固体NMR法と(2) 分解能向上のための高次元固体NMR法を開発した。課題(1)では、超高速MAS法を使った感度増加法を開発し、従来法では検出限界以下である数nmolの試料での測定を可能とすることを示せた。課題(2)では、解析が困難な300残基以上のタンパク質に対する信号帰属と構造測定法のための関連する測定法を開発した。構造の不均一性のため信号の重なりが激しく従来法では信号帰属が困難であった繊維状Aβ42アミロイドに対して、1H検出を用いて4次元固体NMRが2日程度で測定できることも示せた。この手法から得られる高分解能により、3次元固体NMRデータと併せてこのアミロイド試料の完全帰属を行うことができた。また、分子量150kDaの抗体と結合したGB1タンパク質に対して高分解能の1H検出固体NMRスペクトルを得られることを示した。微量で大分子量の複合体試料に対しても、抗体の結合によりGB1の構造が大きく変化することが固体NMRで検出可能であることを示した。(3) アルツハイマー病に関連したアミロイドとリガンド分子の相互作用の構造生物学の進展を図った。繊維状Aβ42アミロイドと結合する茶由来カテキンであるEGCGに対してアミロイド線維との結合部位とモードを調べた。リガンドと結合したアミロイド線維の構造が結合部位と想定される特定の側鎖以外は大きく変わっていないことが示唆された。抗体とアミロイド繊維との結合なども前述の抗体ーGB1複合体との実験から示せることが示唆される。本研究を通して生体試料の固体NMR測定法の大きな進展が見られた。
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Research Products
(9 results)