2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K21775
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷口 浩二 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | 炎症 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんなどの消化器がんによる死亡率は依然として高く、早期であれば外科的切除が可能であるが、進行がんやがんの再発の場合には主に化学療法が行われ、その効果は限定的である。がん免疫療法として免疫チェックポイント阻害剤が注目されているが、メラノーマなどでは良好な結果が出ている一方、大腸がんの多くではあまり効果がないことが報告されている。大腸がんを含む多くの消化器がんの発生や進展に慢性炎症が寄与していることがよく知られており、近年炎症ががんを促進するメカニズムが次第に明らかになってきているが、新規消化器がん治療法の開発のために「炎症とがん」に関するさらなる基礎研究が必要である。 炎症性サイトカインIL-6のエフェクターとしてJAK-STAT3経路が有名であるが、最近、研究代表者は別のエフェクターとしてSrc-YAP経路を発見し、腸の再生に重要であることを報告した。 今年度の研究で、大腸がんに加え、食道がん、膵臓がんなどの他の消化器がんにおいてもSrc-YAP経路とJAK-STAT3経路が活性化しており、これらの経路の同時阻害が単独阻害に比べてより効果的にがんの増殖を抑制する事を明らかにした。現在、これらの経路の詳細な活性化メカニズムについて継続して研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従って、培養細胞やオルガノイド、マウスを用いた実験を行い、その研究成果の一部の発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って、引き続き研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
当初の予定に比べ、実験試薬などの消耗品の購入費が少なく済んだために次年度使用が生じた。次年度において、必要な消耗品の購入やサンプルの網羅解析などを行い、未使用額を使用する予定である。
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[Journal Article] Integrative genomic analysis of mouse and human hepatocellular carcinoma.2018
Author(s)
Dow M, Pyke RM, Tsui BY, Alexandrov LB, Nakagawa H, Taniguchi K, Seki E, Harismendy O, Shalapour S, Karin M, Carter H, Font-Burgada J
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 115
Pages: E9879-E9888
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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