2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K21775
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷口 浩二 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授
|
Project Period (FY) |
2017 – 2020
|
Keywords | 炎症 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんなどの消化器がんによる死亡率は依然として高く、早期であれば外科的切除が可能であるが、進行がんやがんの再発の場合には主に化学療法が行われ、その治療効果は限定的である。最近、がん免疫療法として免疫チェックポイント阻害剤が注目されているが、メラノーマなどでは良好な結果が出ている一方、多くの大腸がんではあまり治療効果がないことが報告されている。大腸がんを含む多くの消化器がんの発生や進展に慢性炎症が寄与していることがよく知られており、近年炎症ががんを促進するメカニズムが次第に明らかになってきているが、新規消化器がん予防・治療法の開発のために「炎症とがん」に関するさらなる基礎研究が必要である。 炎症性サイトカインであるInterleukin-6 (IL-6)のエフェクター経路としてJAK-STAT3経路が有名であるが、最近、研究代表者は別のエフェクター経路としてSrc family kinase (SFK)-YAP経路を発見し、腸の再生に重要であることを報告した。 今年度の研究で、食道がんにおいて食道がん細胞自身がleukemia inhibitory factor (LIF)を産生し、LIFがこれまで知られていたJAK-STAT3経路に加えてSFK-YAP経路と活性化し、食道がん細胞の増殖や浸潤などを促進していることをノックダウン実験などで明らかにした。現在、これらの経路活性化の役割や詳細な活性化メカニズムについて継続して研究を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従って、がん培養細胞やオルガノイド、マウスを用いた実験を行い、その研究成果の一部の学会発表を行った。さらに研究成果の一部を論文投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って、引き続き研究を遂行していく。
|
Causes of Carryover |
当初の計画に比べ、消耗品費や人件費などが少なく済んだために次年度使用が生じた。次年度の研究において、必要な消耗品の購入やサンプルの解析などを行い、未使用額を使用する予定である。
|
-
-
[Journal Article] RIPK1 mediates TNF-induced intestinal crypt apoptosis during chronic NF-кB activation.2020
Author(s)
Wong J, Garcia-Carbonell R, Zelic M, Ho SB, Boland BS, Yao S-J, Desai, SA, Das, S Planell N, Harris PA, Font-Burgada J, Taniguchi K, Bertin J, Salas A, Pasparakis M, Gough PJ, Kelliher M, Karin M, Guma M
-
Journal Title
Cellular and Molecular Gastroenterology and Hepatology.
Volume: 9
Pages: 295-312
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-