2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of three-dimensional virtual space synthesis method responsive to self-motion based on the mechanism of space perception(Fostering Joint International Research)
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15KK0002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 修一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60332524)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | バーチャルリアリティ / マルチモーダルインタフェース / 認知科学 / 情報システム / 音空間創成 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は,これまで培ってきた3次元音空間収音・再生技術の高度化,および,多感覚音空間知覚メカニズムの精緻化を目指し,研究を進めた。 3次元音空間収音・再生技術の高度化では,Oldenburg UniversityやJade University of Applied Sciencesとの共同研究で,擬似逆行列を規範とした3次元音空間収音・再生技術の高度化を検討した。両大学では,人間の音空間知覚特性を加味することで,再現音空間の物理的な精度が充分ではなくても,知覚的精度を保つことができることを示している。この視座に立ち,球状マイクロホンアレイのマイクロホン間隔に依存する高周波数領域での再現音空間の精度低下を,高域での知覚感度が低い位相を操作することで補う方法を提案し,有効性を示した。 多感覚音空間知覚メカニズムの精緻化では,近距離音像の知覚,および,その知覚と聴覚的注意の関連について研究を進めた。前者では,距離が近づくにつれて生じる両耳入力音信号の物理的変化が,音像の距離の変化と音色の変化のどちらに知覚されるのかについて,Macquarie Universityとの共同研究として検討し,距離の変化知覚が音源自体の周波数特性に依存するという結果を得ている。また,聴覚的注意の空間窓が距離方向にも広がりを見せるという知見も得られ,より詳細に検討するため,脳波計測による分析を行うべくUniversity College Londonと共同研究を実施した。なお,3月26日~30日に,Macquarie Universityに取りまとめのための訪問を予定していたが,COVID-19のためキャンセルを余儀なくされ,オンラインにて打ち合わせを行うこととなった。 以上,本研究をとおし,VR空間の知覚,生成技術が明らかとなり,多くの海外研究者とのコミュニティー形成も行えたものと考えている。
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