2016 Fiscal Year Research-status Report
感覚フィードバックと体勢感覚情報の融合による巧みな物体マニピュレーション手法(国際共同研究強化)
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15KK0013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田原 健二 九州大学, 工学研究院, 准教授 (80392033)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 柔軟指 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年2月21日より,Stonybrook Universityにおいて在外研究を始めている. まず,当初予定していた研究テーマについて,より詳細に絞るため,関連研究の調査を行った. その結果,これまで,柔軟指のモデル化に関する研究では,導出を容易にするために球状などのプリミティブなものに限られており,また,形状そのものについての議論がほとんどなされてなかった. そこで,共同研究者であるKao教授の過去の研究成果である柔軟球状モデルを基本として,より一般的な形状への拡張を行う事にした. まずは,一般形状への第一段階として,球状モデルから楕円体モデルへの拡張を行った.柔軟モデルとして楕円体を用いた場合,平面との接触面形状が楕円となり,また,その中心位置は楕円体の中心からずれる.そこで,接触面を表す楕円体をxy平面へ写像を行い,その写像に対して楕円の幾何中心を求めることで,接触面中心位置の導出を行った.また,柔軟変形による変位量の方向として,接触面中心位置から下ろした垂線方向に取ることとし,接触面で切断された楕円体の体積に応じた反力が,変位方向へ発生する集中定数化モデルとして構築している. 現在,楕円体の幾何モデルおよび材料力学モデルを組み合わせた柔軟楕円体指先の数理モデルを構築中であり,今後,Kao教授等が提案している,摩擦限界表面の楕円体への拡張を行う予定である.そして,それを用いたシミュレーション,および作成予定の実験装置による提案モデルの実験的検証を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,早々に転がり接触を矛盾無く表現できる柔軟モデルの構築を行う予定であったが,Kao教授との議論の末,まずは指先形状の一般化を行うことで,接触面法線方向力と接線方向力の表現をより一般化し,それを基に転がり拘束と組み合わせることで,剪断変形と転がり拘束を矛盾無く表現できるモデルの構築を行う事とした. よって,当初予定よりもより一般化した柔軟指モデルの構築が期待できるが,第1段階としてまずは楕円体への拡張を行っているため,全体としては当初の計画通り程度の速度で進捗していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,第1段階として楕円体を用いた柔軟指モデルの構築を行っており,今後はシミュレーションおよび実験による提案モデルの妥当性検証を行う.その後,楕円体への拡張を基にした転がり接触との融合を行い,当初の予定通り,剪断変形と転がり拘束を矛盾無く表現可能な柔軟指モデルの構築を行っていく.
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