2016 Fiscal Year Research-status Report
有機修飾無機層間化合物による非イオン性有機化合物の選択的認識・捕捉機能の開拓(国際共同研究強化)
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15KK0021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀田 知人 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60333895)
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Project Period (FY) |
2015 – 2017
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Keywords | 酸化チタン / カテコール / ビスフェノールA / ゾルゲル法 / ソルボサーマル法 |
Outline of Annual Research Achievements |
芳香族アニオン修飾層状複水酸化物(LDH)による非イオン性芳香族化合物の捕捉に関する大きな課題は、芳香族アニオン修飾LDHの吸着効率が非常に悪いことである。これは、層間内部の芳香族アニオンによる吸着の寄与が非常に低いことに原因がある。本年度は、無機物質として層間化合物ではなく、比表面積の大きな酸化物を用いて有機修飾を行い、その非イオン性芳香族化合物の捕捉について検討した。 ゾルゲル法及びソルボサーマル法により、メソポーラス酸化チタンの合成を行った。酸化チタンの比表面積は100m2/g程度であった。この物質は非イオン性のビスフェノールAを水溶液からほとんど捕捉することができなかった(5 mg/g程度)。吸着等温式は、Langmuir式ではなくFreundlich式によく一致した。これは、多分子層吸着を示唆している。比表面積が50m2/g程度の酸化チタンでも、ビスフェノールAの吸着量は5 mg/g程度であり、比表面積の影響は小さかった。 一方、メソポーラス酸化チタンの表面に、カテコールを有機修飾できることがわかった(0.05 mmol/g)。この有機修飾物質は、非イオン性のビスフェノールAを水溶液から捕捉することができた(30 mg/g程度)。これは、カテコールとビスフェノールAの芳香環同士の疎水性相互作用によるものと考えられる。吸着等温式は、Langmuir式ではなくFreundlich式によく一致した。
【追記】化学関連の研究室の合同セミナーにおいて、LDHに関する研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の研究展開、さらには申請者の研究フィールドを大きく広げることができた。すなわち、無機物質として層間化合物ではなく、酸化チタンを用いても、カテコールにより表面を有機修飾することができた。そして、この有機修飾物質は、非イオン性のビスフェノールAを水溶液から捕捉することができた。単分子層吸着を表すLangmuir式、不均一吸着を表すDubimin - Radushkevich(D-R)式ではなく、多分子層吸着を表すFreundlich式で、本吸着現象を表現できたことは、吸着効率が大幅に向上したことを示している。 以上、本研究課題は、当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
無機物質として、酸化チタンのみならず、酸化チタンと酸化ジルコニウムの複合体並びに酸化ジルコニウムの検討を行う。その理由は、比表面積をさらに大きくするためである。 また、LDHの研究においては、有機修飾LDH創製の前段階から、詳細に検討を行うことを計画している。
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