2018 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of oxidative neuronal injury induced by methylmercury.(Fostering Joint International Research)
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15KK0024
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石原 康宏 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (80435073)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | ミクログリア / マクロファージ / 芳香族炭化水素受容体 / 炎症反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
メチル水銀などの環境化学物質には、脳内の免疫担当細胞であるミクログリア/マクロファージを活性化するものが少なからず存在する。芳香族炭化水素受容体(AhR)はダイオキシンをはじめとした多環芳香族炭化水素の受容体であるが、メチル水銀など多様な化学物質により活性化することが明らかとなってきた。AhRは炎症反応を惹起するとされるが、そのメカニズムには不明な点が多い。本研究では、ミクログリア/マクロファージに発現するAhRの機能について、神経障害との関連を明らかにすることを目的とした。 前年度までに、ミクログリア/マクロファージにおいてAhRにより発現制御を受ける遺伝子の解析を終え、スーパーオキシド産生酵素であるNADPH oxidaseのサブユニットの1つであるp47phoxがAhR刺激により発現が上昇することを明らかにした。本年度のプロモーター解析の結果、p47phoxはそのプロモーター領域に2つのdioxin-response element(DRE)をもち、AhRにより直接、発現制御を受けることが示された。また、AhR刺激により増加する活性酸素産生は、p47phox発現の上昇に起因することも明らかにした。また、前年度までにAhRの標的として発見した炎症性サイトカインであるIL-33もプロモーター領域に2つのDREを同定し、これらのDREにAhRがリクルートされることを示した。 期間全体の成果を纏めると、AhR刺激作用を有する環境中の化学物質による神経障害機構として、NADPH oxidaseを介した酸化ストレス、サイトカイン発現を介した炎症反応の2点を明らかにすることができた。脳内のAhRの解析をさらに進めることにより、化学物質による神経障害機構の詳細が見えてくると考えられる。
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Research Products
(10 results)