2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reactivity of organic carbon on earth surface: an examination of common mechnisms between soils and sediments(Fostering Joint International Research)
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15KK0028
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
和穎 朗太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 上級研究員 (80456748)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 団粒構造 / 有機物・鉱物相互作用 / X線コンピュータートモグラフィー / 土壌科学 / 有機物安定化 / 炭素隔離 |
Outline of Annual Research Achievements |
●土壌中で起こる団粒形成の重要な第一ステップと考えられる土壌細菌と鉱物粒子の相互作用に着目した室内培養実験を仏国INRA研究所で行った。具体的には、モデル土壌細菌として実験に多用されているP.putidaと2種類の鉱物粒子(カオリナイト、モントモリロナイト)の混合系に、基質として安定同位体炭素標識されたグルコースを加え、好気培養を行った。団粒形成に最適な基質濃度、鉱物:溶液の固液比、培養時間等の条件検討にかなりの時間を要した。培養後に、レーザー回折による粒径分布の評価および走査型電子顕微鏡による鉱物・有機物(微生物代謝物)複合体の表面形態評価を行い、2つの鉱物タイプから異なる複合体が形成されることが確認できた。本実験から得られた一連の研究アプローチ(単一の微生物の培養、微生物・鉱物混合培養、培養後の評価)は、今後幅広い研究に応用することができる技術であるため、まだ論文化できるほどの実験結果は集まっていないものの、非常に有意義であった。 ●当初の第二目的である微細団粒中炭素の可視化手法の確立については、オスミウム(Os)染色法についての論文を国際誌に発表することができた。土壌団粒を対象としたX線コンピュータートモグラフィー(CT)研究で従来用いられてきた液相Os染色法に比べ、今回開発した液相染色法では10倍前後の高い空間分解能で土壌団粒中の炭素を検出することに成功した。論文ではその点に加え、本手法の利点および留意点を論じた。国際学会での発表後や論文査読者のコメントから本手法への関心の高さが伺えた。 ●更に、膨大なCTデータの解析を独カッセル大学グループの協力を得て進めている。団粒3次元構造内部における鉱物に完全囲まれた有機物と間隙に接する有機物の定量評価から、土壌有機炭素の安定化メカニズムの中で近年最も重要視されている物理的隔離の検証を行う論文を現在準備している。
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Research Products
(5 results)