2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Reception Study on Yamato-e: Its Audience and Function(Fostering Joint International Research)
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15KK0037
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
井戸 美里 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 講師 (90704510)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 屏風 / 和歌 / やまと絵 / 日本画 / 名所 / 庭園 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本的な主題を描く「やまと絵」の遺品が多く残されている室町時代の屏風絵を中心に、享受された場やその機能について再検討を行っている。本研究は科研費補助金「若手研究(B)」と並行して行う研究であるが、本科研費の最終年度にあたり、8月中旬よりハーバード・イェンチン研究所にて在外研究を行った。 若手Bにおいても本年は、やまと絵屏風に写し取られた自然風景に介在する和歌の存在について考察を行ってきたが、国際共同研究では、特に歌枕を絵画化した「名所絵」に焦点を当て、歌枕の絵画化の過程において内裏で編纂された名所和歌がカノンとして参照された可能性について指摘した(「再生される名所絵」2018年12月)。国際共同研究においては、隣接分野である建築史・都市史の研究者の協力を得て、古来より和歌に詠まれる「名所」が、時代や受容層とともにいかに変容していったのか検討を重ねた。7月には「名所について再考する―都市・建築・美術の磁場としての日本風景論」と題して京都工芸繊維大学にて、10月には"Reconceptualizing Meisho: Topography, Memory, and Representation"と題してハーバード大学において国際シンポジウムを主催した。後者においては、より具体的に①「土地性」②「表象(表現・再現・記録・描写など)」③「記憶」の三つの視座から名所について議論した。①は、ある土地の地形や地勢などの風景から人為的な産物に至るまで、「名所」が「などころ」たる所以を問い、②は、座敷を彩る襖、名所記や近代の写真・映像に至るまでさまざまなメディアから問い直し、③は名所がどのように継承され人々の間で記憶されてきたのか、近代以降の文化財・文化遺産の問題まで、ある場所がある時代にある人々によって「名」を与えられ守られていくなかで特別な場になっていく行為そのものについて考察を行った。
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[Int'l Joint Research] ソウル大学(韓国)2018
Year and Date
2018-02-15 – 2018-03-22
Country Name
KOREA (REP. OF KOREA)
Counterpart Institution
ソウル大学
Co-investigator Overseas
Soojin Kim
Job Title
講師
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