2016 Fiscal Year Research-status Report
近世アジアと砂糖の世界史:砂糖の生産・国際流通・消費文化に関する国際共同研究(国際共同研究強化)
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15KK0039
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | グローバル・ヒストリー / 世界史 / 経済史 / 貿易史 / 交流史 / 東洋史 / 近世アジア / 東インド会社 |
Outline of Annual Research Achievements |
基課題を格段に発展させるために、「近世アジアのモノからみたグローバル・ヒストリー:生産・国際流通・消費文化」を実質的な課題として研究を進めることする。すなわち、基課題が「砂糖」のみを対象としていたのに対し、本研究では、「綿織物」「胡椒」「錫」等も対象に加える。見通しとしては、これらの産品は近世の海域アジア(東アジアから西アジアまでの海のアジア)で多量に生産されていた。ヨーロッパ各国が欧州市場のためにアジアから持ち出すばかりではなく、アジア商人によっても取引され、ヨーロッパやアジアなどの生産地とは遠く離れた地においても消費されていたのである。研究代表者がかつて博士論文で研究した「銅」、基課題で研究中の「砂糖」に、これら商品の生産・流通・消費を加えることで、複合的な視点から近世海域アジアならびに世界の商品連鎖を分析し、アジアから見た実証的なグローバル・ヒストリーを構築することを試みる。研究方法としては、基礎的データをオランダ国立公文書館が所蔵するオランダ東インド会社文書を用いて収集する。まずオランダ東インド会社ないしは他の商業集団による貿易数量データを収集する。その上で、オランダ東インド会社文書から生産と消費に関する基礎的(数量ならびに文字)データを収集する。このため、2017年4月から9月にかけてオランダのライデン大学に滞在する。日本の本務校側からは特別研究期間(いわゆるサバティカル)の適用を受ける。 実際の研究活動についてであるが、2017年1月に交付申請を行った。2017年4月から9月にかけてオランダに予定通り渡航する。そのため、2016年度においては、とくに渡航準備ならびに先方とのメイルでの意見交換・スケジュール調整等が主たる用務となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り2017年4月から渡航する準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年4月から9月にかけオランダのライデン大学に滞在し、当初の目的通り、国際共同研究の強化に努める。国際会議などを通じてライデン大学が近世アジア史研究者が多数集う場所であることも考慮し、ライデン大学所属研究者以外との国際共同研究にも意を注ぎたい。
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