2017 Fiscal Year Annual Research Report
the Study of Local Administration and Society in Chang-Jiang river andXiang-jiang river basin from the 3rd to the 4th century in China(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0045
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
安部 聡一郎 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (10345647)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 出土資料 / 走馬楼呉簡 / 長沙 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年10月末より開始した湖南大学での滞在研究を引き続き継続し、長沙市の関連では長沙簡牘博物館および長沙市文物考古研究所を訪問、長沙走馬楼三国呉簡の整理状況および1990年代以降の長沙市周辺での考古発掘状況に関する調査、ならびに新規公開された尚徳街東漢簡牘の実見を行った。また湖南省に関係する方面では、湖南省文物考古研究所を訪問し、益陽出土簡牘の整理状況や課題に関係する考古発掘・資料整理状況について調査を実施した。この段階で明確となったのは、1990年代までに公刊された漢・三国期長沙周辺の歴史地理に関する研究は、21世紀以降の考古発掘成果によって大幅な見直しを迫られているということである。その一端は2017年公刊の『長沙古城址考古発現与研究』においても示されていたが、従来城壁の位置を推定するにあたり主要根拠とされていた知見が全面的な再発掘によって覆されているなど、長沙市周辺の地理の中で長沙呉簡の理解を図る本研究に深く影響する内容であった。併せて、長沙の漢代墓葬に関する体系的な研究書の刊行が近く予定されており、墓葬分布や形式の方面で知見の整理・公開が進むとの情報提供も得られた。以上の成果より、資料公開状況・研究状況の変化に対応し本研究の今後の深化を図るには、成果公開が近々に予定されている墓葬に関する側面から行うのが適切と考え、各研究機関の研究協力者よりこの方面での今後の調査・研究に関して協力の内諾を得、2017年4月末に帰国した。 以上の現地調査結果は、口頭発表「漢三国期長沙地域からみた走馬楼呉簡」、および単著論考「走馬楼呉簡からみる三国呉の郷村把握システム」に反映させた。さらに滞在研究を通しての成果として、国際学会発表として中国魏晋南北朝史学会第12回大会にて「長沙走馬樓三國呉簡嘉禾吏民田家ベツ中所見的“丘”再考察──以畝數/町數數據為線索」を報告した。
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Remarks |
長沙簡牘博物館における主な海外共同研究者(2016年10月31日~2017年4月28日):宋少華(長沙簡牘博物館前副館長)、雷長巍(長沙簡牘博物館員)、金平(長沙簡牘博物館員) 湖南省文物考古研究所における研究協力者(2016年10月31日~2017年4月28日):張春竜(湖南省文物考古研究所研究員)
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