2017 Fiscal Year Research-status Report
ノントキシック版画技法の普及に向けた調査研究(国際共同研究強化)
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15KK0046
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
湊 七雄 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (80436849)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 版画 / ノントキシック / 非毒性 / 美術 / 技法研究 / 銅版画技法 / フォトポリマー版画 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
身体や環境に有害な材料・素材の使用を控えた「ノントキシック版画技法」については、日本でも認知度が高まり、より安全な制作環境が整うのならば部分的にでも取り入れてみようか、と興味を持つ版画家・指導者も増えてきたようだ。欧米では、アトリエのノントキシック(非毒性)化が広く推奨されており、特に指導者向けの研修機会が増えている。一方、日本ではノントキシック版画技法を学ぶ機会は極めて少なく、日本語での情報も限られている。こうした現状を踏まえ、2017年4月から2018年3月までの1年間、ベルギーのゲント美術アカデミーに滞在し、ノントキシック版画技法について、以下の研究課題に取り組んだ。 ①国際的な普及・導入指導支援システムに関する実態調査について:共同研究者らのネットワークを活用しながら実態調査を進めた。現在、ノントキシック版画に限らず、欧米における美術分野の情報交換ツールとしてSNSが有効に機能していることから、積極的に活用した。実態調査とそのデータの集約は平成30年度も引き続き行う予定。 ②ノントキシック技法の表現に関する調査について:銅版画技法に重点を置いて調査を進めた。数百点に及ぶ作品画像をデータ化し、アーカイブした。 ③指導者向け技法導入支援法の研究開発について:平成29年度最も注力した課題である。ハードグンド、ソフトグランド、メゾチント、フォトポリマー、アルリルメディウムを用いた応用技法など、それぞれの技法の指導メソッドについて、ワークショップなどの実践(トライアウト)を重ねながら研究を進めた。ゲント美術アカデミーでは、年度内に20を超えるワークショップを行った。11月に、一時帰国し、銅版画制作・指導に携わる方、クリーンな版画制作環境を整えたいと考える方を主たる対象とした「ノントキシック銅版画技法」の講座を開講した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの課題いずれについても、下記のとおり取り組めており、概ね順調に進展している。 ①国際的な普及・導入指導支援システムに関する実態調査について:共同研究者らのネットワークを活用しながら実態調査を進めた。現在、ノントキシック版画に限らず、欧米における美術分野の情報交換ツールとしてSNSが有効に機能していることから、積極的に活用した。実態調査とそのデータの集約は平成30年度も引き続き行う予定。 ②ノントキシック技法の表現に関する調査について:銅版画技法に重点を置いて調査を進めた。数百点に及ぶ作品画像をデータ化し、アーカイブした。 ③指導者向け技法導入支援法の研究開発について:本年度最も注力した課題である。ハードグンド、ソフトグランド、メゾチント、フォトポリマー、アルリルメディウムを用いた応用技法など、それぞれの技法の指導メソッドについて、ワークショップなどの実践(トライアウト)を重ねながら研究を進めた。ゲント美術アカデミーでは、年度内に20を超えるワークショップを行った。11月に、一時帰国し、銅版画制作・指導に携わる方、クリーンな版画制作環境を整えたいと考える方を主たる対象とした「ノントキシック銅版画技法」の講座を開講した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題①について:引き続きアンケート調査をつづける。共同研究者らと分担をし、インタビュー形式の聞き取り調査(当該分野における各国のキーパーソン約8名を予定)も行う。9月を目処に、収集したデータの整理・分析に着手し、年度末までに公開する。 研究課題②について:大量に収集しデジタルデータ化した作品画像を分析・整理しアーカイブする。画像データの一部をウェブ上で公開する。 研究課題③について:アメリカ、ベルギー、日本国内よりトップ研究者(海外より3名、国内4名)を招聘し、国際会議を開催する。これまでの研究成果を広く公開するとともに、今後の課題について検討する。
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Research Products
(4 results)