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2016 Fiscal Year Research-status Report

啓蒙期から現代に至るカタストロフィの思想と表象に関する総合的研究(国際共同研究強化)

Research Project

Project/Area Number 15KK0052
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

西山 雄二  首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (30466817)

Project Period (FY) 2016 – 2018
Keywordsカタストロフィ / 災厄 / リスク
Outline of Annual Research Achievements

来29年度からのパリ・フランス国立東洋言語文化大学(イナルコ)での在外研究に向けて、カタストロフィに関する人文学的研究の国際共同の準備をおこなった。計画通り、これまでの人文学におけるカタストロフィ研究の進捗および布置を主に英語・仏語文献を通じて調査し、批判的な考察を加えた。主に参照されたのは、①思想(哲学、倫理学、科学哲学、社会思想史)、②表象(文学、表象文化論、メディア研究)の分野である。2016年10月ローマ大学での国際会議「デリダ-レヴィナス」にて発表し、レヴィナスとデリダにおける嘘の哲学的考察を参照しつつ、放射能管理をめぐる嘘の政治を考察したが、その記録集への寄稿に向けて、原稿を再検討して提出した。また、2016年11月、佐藤嘉幸・田口卓臣『脱原発の哲学』をめぐって、小出裕章や岩田渉といった専門家を招聘して合評会をおこなったが、その電子書籍版刊行に向けて原稿を準備した。2017年3月にフランスに滞在し、渡航の準備をおこなった。オルレアン大学の下境真由美准教授との打ち合わせや、住居の下見と契約、イナルコの研究教育活動の見学などである。イナルコでの映画「ほんとうのうた~朗読劇『銀河鉄道の夜』を追って~」上映会に参加し、来年度の共同研究に向けて、管啓次郎氏と意見交換をおこなうことができた。イナルコの日本学センター長ミカエル・リュッケン教授、アンヌ・バイヤール・酒井教授と研究打ち合わせをし、カタストロフィの国際共同研究に関する意見交換をおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

西山と科研費基盤Cで共同している佐藤嘉幸・田口卓臣の『脱原発の哲学』が反響を呼んでいるが、科研費グループにて小出裕章や岩田渉といった専門家を招聘しておこなった合評会の電子書籍出版の作業を進めた。ローマ大学での国際会議「デリダ-レヴィナス」にて発表し、放射能管理をめぐって嘘の政治の構造を考察したが、その記録集への寄稿原稿を準備した。来29年度のパリ・フランス国立東洋言語文化大学(イナルコ)での国際共同研究に向けて、具体的な準備を進展させることができた。

Strategy for Future Research Activity

今年度の研究目的は、1)カタストロフィと人間の関係を理論的に解明することである。自然科学は個々の災害の物理的原因やメカニズムを、社会科学はその社会への影響や相互関係を明らかにする。これに対して、人文学的研究は人間がカタストロフィをいかに解釈し思考し表象してきたのかを考察することで、人間と自然、人間と技術の在り方を根底的に問うことができる。2)また、日本に十分に紹介されていない国内外(主に英語・仏語・独語圏)のカタストロフィ研究の成果を分析・整理する。3)そして、先行研究の批判的検討を通じて、また他の学問分野との学術交流によって、カタストロフィの人文学的研究に理論的・実践的な広がりをもたせる。
国際会議の企画としては、2017年11月にソフィア大学にて、国際会議「破壊と創造――世界の終わり」を首都大学東京の教員と現地の共同によって開催予定である。2018年3月にパリの国立東洋言語文化大学にて、カタストロフィの思想と表象に関する国際会議を実施予定である。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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