2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Research on Philosophy and Representation of Catastrophe(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0052
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西山 雄二 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (30466817)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2019
|
Keywords | カタストロフィ / リスク / 災厄 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、引き続き、人文学(主に思想と表象の学問分野)の文献や理論の検討、実地調査にもとづいて、これまで人間はいかにカタストロフィを表象し思考し解釈してきたのかを問い、カタストロフィと人間の関係を根本的に考察した。国際会議としては、ハンガリーでのシンポジウムにてジャック・デリダ晩年の終末論に関する招待発表をおこない、〈世界の終わり〉の概念がデリダ思想において、他者の死との関わりや動物との共生といった点でいかに重要であるかを明らかにした。東京大学での合同シンポジウム「予測不能な天候」に参加し、気候変動と人文知に関する発表をした。翻訳として、ミカエル・フッセル『世界の終わりの後で 黙示録的理性批判』(法政大学出版局)を刊行した。〈世界の終わり〉の観念とともに生き続けるために、政治的なもの、社会的なもの、人間的なものの交差する地点に現れる破局的主題を取り上げ、近代の諸概念を問い直す哲学的著作である。昨年参加したローマでの国際会議の成果が論集として刊行予定で、英語起稿論文の執筆を進めることができた(現在、ゲラ校正段階)。レンヌ第二大学と首都大学東京の共同で「日本における危機と再生」という連続イベントを予定していた。東京では高橋博美・准教授を招聘して講演「伝統と変遷の狭間にいる働く日本人女性」を開催したが、3月に企画していたレンヌでのワークショップは新型コロナウイルスのために中止となってしまった。
|