2017 Fiscal Year Research-status Report
医療イノベーションの多角的価値の測定と薬価・費用負担の設計への応用(国際共同研究強化)
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15KK0076
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長根 裕美 (齋藤裕美) 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (60447597)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | バイオ医薬 / 特許 / イノベーション / スターサイエンティスト |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年3月14日から2017年11月30日まで在外研究を行った(日本帰国日は12月1日)。渡航前に事前の打ち合わせをメールで重ねたほか、2017年1月末~2月上旬には実際に渡航先であるカリフォルニア大学ロサンゼルス校に伺って、直に打ち合わせをしたこともあり、セットアップはスムーズに進んだ。まずは事前の計画通りに、Zucker教授が作成したデータセットから日本でバイオ医薬の特許を出願した日本企業を取り出す作業をした。そのうえで表記揺れ・名寄せの作業を行った。並行する形で対象企業の財務データや特許出願データを収集した。また本研究の問題意識は基礎研究の成果を社会・経済にどのように移転するか、という点であるが、当初の計画では移転される側である「企業」の視点に立った分析のみを構想していた。しかし、Zucker教授とのやりとりの中で、移転する側である大学・公的研究機関側、さらにはそれを構成する「研究者」側の視点を踏まえた研究が必要であることがわかってきた。特にZucker教授らが長年行ってきた、卓越した研究者(スター・サイエンティスト)に着目して、彼らから企業にどう知識が移転され、その結果、企業にどのようなインパクトをもたらしうるのかという研究の、日本版への拡張も行うようになった。この過程で、Zucker教授および同じくスター・サイエンティスト研究を牽引してきたMichael Darby教授との連携がさらに強化されるとともに、本件に関連してスタンフォード大学のワークショップに招かれて報告してさらに海外の研究者とのネットワークを拡張したり、日本の研究者ともこの件に関連する研究チームを発足して、ともに海外研究者とのネットワークを拡張する準備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿った企業単位のデータベース作りは概ね順調に進んでいる。また基礎研究から企業への知識移転という観点から、移転される側である企業のみならず、移転する側である研究者の側からの研究も行うことができた。この過程で受け入れ先のUCLA教授らとの連携強化のみならず、他の研究機関の研究者とのネットワークを構築することもできた。さらには日本人研究者ともこの課題に関する研究チームを立ち上げることができ、スタートアップとしてのセミナーやシンポジウムにて日米の研究者が意見交換できた。今後のネットワーク強化という意味でも発展的な1年であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこの国際ネットワークの強化・拡張をさらにはかる。まずはこれまでにできた研究成果を国際学会で報告する予定である。すでにドイツで行われる予定の学会に、フルペーパーがアクセプトされている。その場においても、多くの研究者と意見交換し、学術雑誌への投稿につなげるとともに、さらなく海外研究者とのネットワークを拡張したい。また仕上げ段階にある企業単位のデータベースを完成させ、今年中に第一弾の分析をおえ、論文化に結びつける予定である。
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Research Products
(10 results)