2016 Fiscal Year Research-status Report
現代ロシアの都市住宅動向とその特殊性の研究:家計の住宅保有・住替動向を中心に(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0079
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
道上 真有 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30527693)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | ロシア / 住宅 / 土地 / 登記 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年2月1日から本研究課題の研究を開始したため、平成28年度の研究実績概要について、平成29年2月から3月の2か月間の研究概要を以下に記す。 平成29年3月1日からのロシアでの研究開始を決定し、同年2月の1か月間はそのためのビザ取得手続きをはじめとする最終渡航準備や現地受入研究機関や研究パートナーとの最終打ち合わせを行った。平成29年3月1日にロシア連邦国(サンクトペテルブルグ市)に入国し、サンクトペテルブルグ大学経済学部にて研究に着手した。当地での主要な研究テーマは、「ロシアの土地・住宅登記・担保制度」の実態解明にある。研究パートナーのA.ベロフ教授やS.スーティリン教授らと現地不動産仲介業者や専門家らへのインタビュー調査を9回にわたり実施した。また関連法制や統計、論文等の関連資料の収集、文献調査を実施し、調査を継続するとともに、その考量と整理を進めているところである。また現地不動産雑誌からのインタビューを受け、日ロの不動産市場の違いについて解説を行った。インタビュー記事は4月にweb上で公開される予定である。共同研究者らと今後の共同研究論文発表に向け、研究計画が順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渡航を開始した平成29年3月の1か月間ですでに9回のインタビューを実施し、制度と現実運用との乖離の具合について実態をつかみつつあるところである。現地不動産雑誌からのインタビューを受け、日ロ不動産市場の比較についても解説したところである。土地の私有化水準と登記実態が少なく、住宅などの上物の流通市場とその賃貸住宅市場の発展が進んでいることを現状調査でつかんでいる。日本と異なるロシアの特殊性について、インタビュー調査等による実態把握と、専門家による各種関連法制度の改正の変遷とその政策含意とその背景、文献調査やデータ収集等による制度把握とを行い、実態と制度理解との双方から、特殊性の裏付けを取っているところである。サンクトペテルブルグ大学に加え、サンクトペテルブルグ経済大学も訪問し、同大学S.マクシモフ教授とも研究連携を開始した。現地機関研究者や専門家らと円滑な情報交換を通じて、研究計画が順調に進んでいるところである。
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Strategy for Future Research Activity |
「土地・住宅登記制度、担保制度」の公式制度の歴史と整理、現状の制度実態、市場動向と市場への影響について、引き続き専門家や当事者へのインタビュー調査、資料収集、文献調査等を行う予定である。調査、研究成果を蓄積し、国内外での論文発表や研究集会等での発表を目指す方針である。
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