2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル・ガバナンス・プラットフォームの動態――グローバル政治経営学に向けて(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0082
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三浦 聡 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10339202)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2018
|
Keywords | ガバナンス / プラットフォーム / コラボレーション / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】本研究は、①基盤(C)の研究に基づきつつ、②カリフォルニア大学バークレー校政治学部のクリストファー・K・アンセル教授との国際共同研究を通じて、③学際的な観点に基づきつつ、ガバナンス・プラットフォームの機能と動態を明らかにするものである。 ①本国際共同研究の分析枠組は、一方で小論「持続可能な開発のトランスナショナル・ガバナンス──権威の多元化と新たなガバナンス・モード」(2017年9月刊行)において示したガバナンス・モード論の諸類型および研究会等で報告した"Transnational Governance Platforms: The Case of the United Nations Global Compact"で展開したプラットフォーム論、他方でアンセル教授の「協働プラットフォーム」論(Christopher K. Ansell and Alison Gash, "Collaborative Platforms as a Governance Strategy," Journal of Public Administration Research And Theory, 2018, Vol. 28, No. 1, 16-32)を発展させるものである。 ②2017年9月よりカリフォルニア大学バークレー校にて在外研究を開始し、アンセル教授と密に議論を重ねつつ、ガバナンス・プラットフォームに関する共著論文を執筆している。 ③同論文は、政治学、行政学、法学、経済学、経営学、社会学等の既存研究のサーベイを踏まえつつ、プラットフォームを体系的に論じるものである。
【研究の意義】本研究は、従来は学問領域ごとに個別に論じられてきた民間部門・公共部門の様々なプラットフォームを概観した上で、その中核的な論理を明らかにする点で国際的に比類ないものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年9月にカリフォルニア大学バークレー校にて在外研究を開始して以来、クリストファー・K・アンセル教授と国際共同研究を遂行している。当初の予定通り、アンセル教授と濃密な議論を重ねつつ、「ガバナンス・プラットフォーム」に関する共著論文を執筆している。よって、国際共同研究はおおむね順調に進展していると言える。 なお、当初の計画では2017年4月から在外研究を開始する予定であったが、年度の途中よりも初めから行う方が国際共同研究の遂行には望ましいと判断して変更するに至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在執筆中のガバナンス・プラットフォームに関する共著論文の執筆を継続する。アンセル教授と議論を重ねつつ、数回の改稿を経た上で学術誌への投稿を目指す。 また、現在は同論文と密接に関連するテーマで単著論文も並行して執筆している。同論文についてもアンセル教授からのコメントを得つつ、執筆を続ける。 なお、当初の研究計画を踏まえて、本研究をアンセル教授以外の複数の研究者をも含む国際共同研究プロジェクトへと発展させる方策を探ったが、アンセル教授がすでに多くの研究プロジェクトを抱えて多忙を極めている点に鑑み、今回は共著論文の執筆に集中して、まずは"low-hanging fruit"(比較的得やすい成果)を得ることで、アンセル教授との共同研究を将来にわたって継続する道を切り拓く(拡大よりも集中を選択して今後につなげる)方が望ましいと判断した。(その第一歩として、上とは異なるテーマに関する共同研究のプロポーザルをアンセル教授と共に作成し、海外学術誌の論文募集に応募した。惜しくも採用には至らなかったが、将来の共同研究に向けた種を蒔くという意味で成果を得られた。)
|