2016 Fiscal Year Research-status Report
異種感覚情報統合の学習メカニズムとその神経基盤の解明(国際共同研究強化)
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15KK0092
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
寺本 渉 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (30509089)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 実験心理学 / 異種感覚統合 / 学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは,外界を認識する際,視覚情報だけでなく,聴覚情報など,複数の感覚情報を無自覚に利用している。そのため音が映像位置に引き寄せられて聞こえることもあれば,映像の動きによって音の聞こえも大きく変化する。また,逆に音の動きによって静止した映像に動きを感じることもある。こうした異種感覚間統合を実現するためには,脳は各感覚器が受け取る刻一刻と変化する複数の信号の中から,同一事象を発生源とするものを見つけ出すことが必要になる。その際に,時空間的な一致性という基本的な手がかりに加え,効率的方略として考えられるのが,過去の経験に基づきあらかじめ結びつける信号を決めておくこと(異種感覚間対応学習)である。本研究では,異種感覚間対応学習によって獲得された感覚どうしの対応づけに関するルールの維持・更新プロセスに関わる心的メカニズムと神経基盤について,心理学的手法,生理学的手法および計算論的手法を用いて明らかにすることを目的としている。 本年度は,国際共同研究者であるUlm大学のMarc Ernst教授と渡航日程の調整と研究の実施計画の詳細について相談を行った。そこでは平成29年度中に複数回Ulm大学に短期間滞在し,実験環境のセットアップを行うこと,また,できるだけ短期間にインパクトのある成果が挙げられるよう日本国内にて最適パラメータを見極める実験を行い,年度末から約半年間の滞在することなどを決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は国際共同研究のスケジュール調整と実施計画の詳細をつめることを目的としていたため,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度中に複数回共同研究先に短期間滞在し,実験環境のセットアップを行う。また,できるだけ短期間にインパクトのある成果が挙げられるよう,国内にて最適パラメータを見極める。そして,年度末から約半年間滞在し,異種感覚間対応学習によって獲得された感覚どうしの対応づけに関するルールの維持・更新プロセスに関わる心的メカニズムと神経基盤を明らかにするための実験をUlm大学にて実施する。
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