2018 Fiscal Year Research-status Report
ポスト共産主義諸国の政治・行政・経済エリート:ロシアとウクライナ(国際共同研究強化)
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15KK0094
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大串 敦 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (20431348)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | ロシア / ウクライナ / エリート |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は在外研究から帰国し、その研究成果の公表はもとより、在外研究時に作り上げた国際的な研究ネットワークを国内にフィードバックすることに主眼を置いた。特に在外研究時に知己を得た国外の新進気鋭の研究者を招き、3月7日に慶應義塾大学で国際ワークショップを組織し、また3月11日に北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターでセミナーを開催した。ワークショップには大学院生、ポスドクを中心に20名ほどの参加者があり、若手研究者に刺激になったものと考えられる。 2018年度に公刊された(掲載受諾含む)論文は3本で、1つは現地調査を踏まえた2018年のロシア大統領選挙の分析である。2つ目は、ウクライナ政党政治で、東部エリートに影響力があったかに見えた野党ブロックの興亡を分析したものである。フィールドワークは一昨年度に行われたが、地方政治の実情を踏まえた議論を展開した。この研究分野では世界的な査読誌の1つである、Europe-Asia Studiesに掲載受諾がなされた(2019年度内公刊予定)。また、3つ目は、脱稿はしばらく前であったが、ロシアの権威主義体制の変容を扱った論文が、単行本の1章として、2018年度に公刊された。 国際的な研究組織を作り出せた点と国際的な業績を出せた点で、おおむね本研究課題の目的通りに推移したと考えている。ただし、2019年6月に日本で国際学会が開催されるのに合わせて、本研究課題で作り上げた研究ネットワークの発信と研究成果を公表したいと考え、当初計画より一年延長の申請をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際ワークショップを組織し、国内外に研究成果を発信できた点と、Europe-Asia Studiesへの論文掲載受諾という国際的な業績を出せた点で、おおむね本研究課題の目的通りに推移したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年6月にスラブ・ユーラシア研究東アジア学会が東京大学で開催されるが、研究代表者は、本学会で、本研究課題により知己を得た海外の研究者と共同でパネルを組織した。本研究課題の成果を発信する重要な機会になると考えられ、ウクライナからの研究者招聘などに本研究課題の資金は充てられる予定である。
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