2017 Fiscal Year Research-status Report
国境を越える地域間連携に関する地理学的研究(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0098
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
朴 チョン玄 法政大学, 経済学部, 教授 (10317654)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2018
|
Keywords | マレーシア / 韓国 / IMT-GT / 国際ツーリズム / 中小企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、企業・行政・民間レベルにおいて、東アジアと東南アジアにおける国境を超える地域間結合依存関係の実態を調べるために、聞取り調査を含むアンケート調査を実施し、研究を遂行した。 第一に、マレーシアを事例に、企業・行政レベルの調査を行った。東南アジアにおける地域間統合構想の事例として、インドネシア・マレーシア・タイ間地域統合モデルIMT-GTにおけるマレーシアの中小企業と行政の役割について分析し、マレーシアの中小企業の輸出活動は、多角的な次元で推進される制度(IBA,DST、EFF)に関連して推進されていることが明らかになった。第二に、韓国・日本を事例に、企業レベルの調査を行った。韓日両国の中小企業の貿易・海外進出行動を事例に、文化交流と経済活動との関連性を調べた。その結果、韓国大衆文化による活発な民間交流は、個別企業の経済活動にも様々な側面に影響を与え、一定の成果が確認された。第三に、韓国とマレーシアを事例に、国際ツーリズムを分析した結果、国際的ツーリズムは、国境を超える地域間交流の促進や肯定的な地域イメージの構築に影響を与え、それが地域愛着へと発展することが明らかになった。そして第四に、韓国・日本の地方都市における地域イノベーションシステムの構築プロセスや政策展開を調べるとともに、それが国境を超える地域間連携に与える影響を分析した結果、中央政府主導の政策展開の中、北九州・ミリャン市の地域イノベーションシステムは一定の成果があったものの、産学官の協力体制は、限られた域内連携にとどまっており、国境を超える地域間連携に拡大には限界があることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね研究計画に述べた通りの作業の進展と成果を達成することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに作業を進めていくことを予定している。企業のグローバル活動、行政の国際交流推進、韓国大衆文化、国際スポーツ交流など、企業・行政・民間交流を分析し、東アジア・東南アジアにおける地域間連携構造の実態とその要因について検証していく予定である。
|