2018 Fiscal Year Research-status Report
紛争後のアフリカ社会における内生的な社会統合に関する研究(国際共同研究強化)
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15KK0099
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
村尾 るみこ 立教大学, 21世紀社会デザイン研究科, 助教 (10467425)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 紛争後社会 / アンゴラ / ザンビア / 社会統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は過渡期を迎えつつある南部アフリカの紛争後社会に注目し、その現代的な社会経済的諸特徴を明らかにするものである。研究代表者は、前年度まで、アンゴラとザンビアにおいて、アンゴラ紛争によって移動を余儀なくされた経験を有す当事者へのインタビューや観察を実施した。研究代表者や協力者のこれまでの研究から、南部アフリカ地域社会の社会経済状況が、当該地域を今日とりまくグローバルな政治経済の変動と無関係ではなく過渡期を迎えていることが実証的に明らかとされつつある。南部アフリカの紛争後社会を対象とした研究は、長期にわたる植民地支配とその政治経済構造を背景とした紛争史の再検討や、紛争による社会経済的損失を回復するプロセスを解題するものが目立つが、アンゴラやザンビアにおいて、近年のマクロな政治経済変動に対応する形でミクロレベルの現地住民による主体的営みが萌芽している状況が本研究において明らかとなりつつある。こうした本研究の可能性をふまえ、2018年度は国内外の南部アフリカ研究者らとともに、アンゴラ東部の社会経済の特徴をミクロ・マクロ双方から総合的に考察することをすすめた。そのプロセスでは、政治学、歴史学、人類学など共同研究者の専門分野から、これまで研究資源として活用されてこなかったアンゴラ国内外の各種資料をもとに、アンゴラ社会における生計活動におよぼすマクロレベルでの変化を追究しながら、①社会経済に関する諸活動に関連する地域史、②キリスト教布教による影響、③紛争前後の政治経済史の3つとの関連性に焦点をあて、現在のアンゴラ社会理解を目指した社会経済的分析をおこなってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに得られた研究成果は比較的考察がすすんでいる。今年度は英文で成果をまとめ出版する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に英文出版する準備を整えつつある。研究打ち合わせを含めて出版計画をすすめる予定である。
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Research Products
(3 results)