2017 Fiscal Year Research-status Report
裁判・仲裁・調停・和解の相互関係:日英米の比較研究(国際共同研究強化)
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15KK0100
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
溜箭 将之 立教大学, 法学部, 教授 (70323623)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | エクイティ / 信託 / 伝播 / 変容 / 比較法 / 法制史 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に引き続き、本務校のサバティカルを利用し、アメリカ・マサチューセッツ州において、ハーバード・イェンチェン研究所及びハーバード・ロースクール東アジア法学研究所にて、客員研究員として海外研究を行った。 研究テーマも初年度から一貫し、信託の伝播と変容というテーマで研究と成果発表を行った。イギリスから北米、日本、中国、東南アジアをまたがる、エクイティの手続と実体法が交錯する形での伝播と変容を、比較法・法制史の観点から検討を行った。二国間の比較や各国法の羅列に留まらず、各国の社会経済から国際的な政治外交の推移を踏まえた法制度理解に資する研究ができたと考えている。ハーバード・ロースクールでは、信託法の専門家Robert Sitkoff教授や日米比較法の専門家Mark Ramseyer教授との研究交流も進めた。 英語での成果発表も進めた。2017年4月28-29日には、ハーバード大学にDavid English(ミズーリ大学)、Lusina Ho(香港大学)、Lionel Smith(カナダ・マギル大学)、Hang Wu Tang(シンガポール経営大学)、Ying Chieh Wu(同)各教授など、世界各地の信託研究者を招き、「信託法の伝播と変容」と題したワークショップを開催した。 6月9-10日にはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で「信認法」のワークショップに参加、7月27-28日にはシンガポール経営大学で「信託その他の財産管理手法の利用と濫用」、9月8日はアイオワ州立大学で「比較法・国際法の視点から見た資産移転法 」についてのシンポジウムに参加し、口頭報告を行った。 海外研究期間が満了して帰国した後もDeborah DeMott教授招聘やハーバード大学での研究会に参加したほか、上記のアイオワ州立大学での報告に基づく論文の出版に向けた準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度に引き続き、ハーバード大学での研究調査が順調であったことに加え、アメリカ国内とシンガポールで、当初の想定外に報告の機会に恵まれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外研究中の調査の成果を公表に向けた努力を続ける。アメリカでの比較法・信託法を中心とした研究協力関係を維持・拡充するため、アメリカ渡航を計画するほか、イギリスのオックスフォード大学、ケンブリッジ大学やエジンバラ大学での共同研究のための渡航も予定している。
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Research Products
(6 results)