2018 Fiscal Year Research-status Report
裁判・仲裁・調停・和解の相互関係:日英米の比較研究(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0100
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
溜箭 将之 立教大学, 法学部, 教授 (70323623)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2019
|
Keywords | エクイティ / 信託 / 非営利法人 / 信認義務 / 伝播 / 変容 / 比較法 / 法制史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度に引き続き、信認法の日本と英米の比較から世界的な広がりへという観点で研究を進めている。2018年度から、信認法の文脈を信託から公益信託・非営利法人・営利法人へと対象を広げる試みを行っている。研究成果の公表を精力的に行い、2018年6月にワシントン大学(セントルイス)と8月にケンブリッジ大学とエジンバラ大学、9月にハーバード大学、12月に香港大学で研究報告を行った。2019年度にかけて、さらに研究報告の機会を得ることが確定しており、論文や著書としての成果発表につなげてゆく見通しがついてきた。 2018年度の研究業績として重要なのは、英文論文としての研究成果の公表が軌道に乗ってきたことである。2017年9月にアイオワ大学で行った信託法の世界的な伝播に関する研究報告を、2018年7月にIowa Law Reviewに公表できたほか、2017年11月にハーバード大学で行った日本の信認法に関する報告を、Oxford Handbook of Fiduciary Law (Oxford UP)の一章として、ハーバード大学の日本法専門家J. Mark Ramseyer教授と共著で2019年中に公表できる見込みである。 こうした国際的な共同研究を通じて得た知見や問題意識を、日本における研究会や論文での場でも公表している。 全般に、2016年度から2017年度にかけてのハーバード大学での海外研究で培った研究者ネットワークを維持するとともに、2016年度から参加しているアメリカを中心とした信認法の国際ワークショップ、2018年度から参加している環太平洋を中心とした信認法のワークショップと、世界的な研究者ネットワークにつながり共同研究が進められるようになってきた。こうしたネットワークをさらに発展して、より視野の広い研究につなげてゆきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度及び2年目のハーバード大学での研究調査を順調を終了したことに加え、海外研究中またそれ以降も、アメリカ国内とシンガポールなど、当初の想定外に報告の機会に恵まれ、また英文による成果公表も進めることができているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外研究中やその後の調査研究の成果を公表に向けた努力を続ける。これまで培ってきた海外での研究者ネットワークを維持拡充し、比較法・信託法・信認法を中心とした研究協力関係を維持・拡充するため、9月6日~7日にカリフォルニア大学・アーヴィング校でのシンポジウムの共催を含め、アメリカ渡航を2回計画するほか、シンガポール、イギリス、オーストラリアへの渡航も予定している。
|
Research Products
(8 results)