2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Application of Policy Modeling Method Capturing Non-linear Dynamics Embedded in Ecological and Economic Systems(Fostering Joint International Research)
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15KK0104
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上原 拓郎 立命館大学, 政策科学部, 教授 (60384757)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | システムダイナミクス / 産業連関表 / セーヌ河口域 / ヒラメ / 生態経済モデル / 社会生態系モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,生態系とそれをとりまく地域経済が不可分であり,一つのシステムとして捉えて諸問題をとらえる重要性に着目し,事例を通してそのために必要なモデリング手法の開発を実施した.具体的には生態系,そして生態系と地域経済の非線型ダイナミクスをとらえるためのシステムダイナミクス(SD),そして地域経済を詳細に捉える産業連関業(IO)を同期した新しいモデル,IO/SDモデルを開発した.同期にはSD用のソフトウェアであるPowersimとIOを中心とした地域経済サブモデルをExcelでモデル化し,PowersimとExcelを同期させた. 事例としてはセーヌ河口域の生態系の回復策に関連するトレードオフ,つまり回復に伴うヒラメのストックの向上と回復にかかる費用負担が地域経済に与える影響を産業別に捉えることに成功した.IOを用いて産業別に影響をとらえることで,回復策の影響が産業によって異なることを明らかにした.また,費用負担のシナリオ分析に先立ち,回復策の費用負担の考え方について新たな方法を考案した. 当初計画では生態系と地域経済の関係をとらえるところまでを予定していたが,シナリオ分析を行う中で,パリを含む上流の状況の影響を大きく受ける水質による影響が地元の回復策よりも大きな影響を与える可能性が示唆されたため,セーヌ川の水質に関する先行研究を分析し,今後の研究発展のための情報収集を行った.今後,地域経済だけでなく広域経済を含む生態経済モデルの開発が望まれる.
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Research Products
(1 results)