2018 Fiscal Year Research-status Report
在宅介護者の介護継続に必要とされるショートステイ-その整備による介護費抑制の算出(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0106
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
森山 葉子 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (10642457)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 介護者支援 / 介護者支援プログラム / 介護者のQOL / レスパイトケア / ショートステイ / 認知症介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では、世界一の高齢国であり、また高齢者やその家族の希望、および財政逼迫の問題から、在宅介護が推進されている。一方で、要介護高齢者を支える公的介護保険は導入されたものの、高齢者を介護する介護者の支援としては、欧米と比してまだまだ遅れていると言わざるを得ない。米国では、介護者支援のためのプログラムがいくつか開発され、実際に支援として実施されている。本研究では、2016年度に滞在したアメリカ・ユタ大学において実施された認知症高齢者を介護する介護者のための支援プログラムを参考に、日本版を開発・導入することを目的としている。 今年度は、ユタ大学で実施された介護者支援プログラムで配布および配信されたプログラムの内容を検討し、また日本における認知症高齢者を介護する介護者に対する支援について情報収集し、さらに、認知症高齢者を診察する精神科医師の協力も得て、日本の実情、文化に即したプログラムを作成した。 さらに、作成したプログラムを、実際に認知症高齢者を介護している介護者や、NPO法人として介護者支援を実施している支援者らに見て検討してもらい、修正したものから、冊子版とWeb配信版との2種のプログラムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、二つの事業計画のうちの二つ目である、介護者支援プログラムの日本版の開発を主に実施し、滞在したユタ大学で実施された認知症高齢者を介護する介護者向け支援プログラムを参考に、日本における支援状況を考慮しながら、介護者支援プログラムを作成した。それを元に、実際に認知症高齢者を介護中の介護者や、NPO法人として介護者を支援する支援者、精神科医師などの協力のもと、プログラムを検討し、認知症介護者支援プログラムの冊子版とWeb配信版の2種のプログラムを作成した。 1年間の期間延長をしたことから、次年度は、作成した介護者支援プログラムのWeb配信後の介護者QOL変化の測定データから、プログラムの有用性を量的に分析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、作成した介護者支援プログラムのWeb配信後の介護負担感やASCOT:The Adult Social Care Outcomes Toolkit(社会的ケア関連QOLを測定する指標)、幸福感等の介護者QOL変化の測定データから、プログラムの有用性や、介護者QOLのどの指標により効果が認められるか等を量的に分析し、学術発表する予定である。学術発表については、ユタ大学で培った大学内およびそこから派生した大学外の研究者らとのネットワークを活用した共同研究を行う予定である。
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