2016 Fiscal Year Research-status Report
ミュージアムにおける鑑賞者開発の研究;新来館者の定着に向けた実証的調査分析(国際共同研究強化)
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15KK0107
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
関谷 泰弘 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 総務部, 係長 (80727397)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | audience development / 鑑賞者開発 / 来館者開発 / 来館者研究 / ミュージアム・マネージメント / 博物館経営 / アート・マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成26ー28年度科学研究費補助金・若手研究B「ミュージアムにおける鑑賞者開発の研究;新来館者の定着に向けた実証的調査分析」で明らかになった結果を元に、アメリカのミュージアムでその実証を目指した研究である。 鑑賞者開発は、芸術への既存の参加者及び潜在的な参加者へのアプローチによる芸術への参加者の絶対数の増加を目指した活動で、近年はミュージアムでも積極的に取り入れられている。このようなアプローチは、我が国では、ミュージアムだけでなく、その他の芸術組織でも僅少であり、本研究の成果が我が国のミュージアムの活動に貢献することを期待している。 若手研究では、ミュージアムにおける新来館者の定着には、ミュージアムコレクション等、「高尚な」芸術によるアプローチだけでなく、より広範な人々を対象としたエンターテインメントやよりわかりやすいアプローチにより裾野を広げる必要があり、実際にその試みは効果があることが実証されている。若手研究の中では、取り組みごとの人々の反応の違いや来館者のコレクションへの反応等、未着手部分は多く、それをアメリカで共同研究することを計画した。 平成28年度は、1ヶ月半ほどの滞在期間中に、平成29年度に実施する調査計画のため、主にデスクリサーチ、共同研究者との打ち合わせ及びアジア美術館内部の情報蒐集に時間を費やした。 アジア美術館では、3月から9月にかけて毎週木曜日を夜間開館日として午後9時まで開館するとともに、イベントを実施している。土曜日と日曜日のイベントと合わせて、それぞれ異なる層を対象として、複数種類のシリーズに分類されて実施されている。そこで、平成28年度は、研究対象となるミュージアム・イベントに積極的に参加し、共同研究者と共同で各イベントシリーズ共通の調査票の作成を行った。なお、調査は平成29年4月より実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は当初予定通り年度半ばよりビザ申請等渡航の準備をし、平成29年2月8日より渡航し、アジア美術館において研究生活に入ることができた。当初の予定通り調査票の策定、調査スケジュール及び調査実施方法について概ね確定し、29年度の本格実施に向けて順調に進んでいる。 平成28年度は、1ヶ月半ほどしか時間がなかったため、平成29年度に実施する調査の計画立案・調整作業を実施した。具体的には、主にデスクリサーチ、共同研究者との打ち合わせ及びアジア美術館内部の情報蒐集に時間を費やした。また、共同研究者と共同で各イベントシリーズ共通の調査票の作成を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年4月から9月までアジア美術館で実施されるイベントの参加者を対象に、20回程度の調査を実施する。また、2回程度のオンライン調査及び2回程度のフォーカスグループインタビューを実施する。研究成果の一部を経過報告として、10月に実施される国際博物館会議マーケティング部会において、アジア美術館のイベント企画担当者との共同成果報告を計画している。 30年2月までにこれらをまとめて分析し、調査報告としてまとめ、アジア美術館に提出する予定である。また、帰国後はそれを日本語で学会等で発表する予定である。
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