2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Audience Development for Museums; Practical Approaches for Capturing and Stabilizing New Audiences (Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0107
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
関谷 泰弘 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 総務課, 専門職員 (80727397)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 来館者開発 / オーディエンス・ディベロプメント / 鑑賞者開発 / ミュージアム・マネジメント / 博物館経営 / ミュージアム・マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度である2018年度は、2017年~2018年にかけて渡航先のアジア美術館で得られた調査結果の取りまとめ及びその概要の一部の発表を行った。 研究発表は、2018年10月9日に米国シカゴで開催されたICOMのマーケティング交流国際委員会において、「ミュージアム・イベントによる来館者の多様化への効果―サンフランシスコ・アジア美術館を事例とした来館者と非来館者の比較研究」をテーマに行った。 ミュージアムが一部の人を対象とした高尚な場から、社会的な役割が重視されるようになった現代において、ミュージアムを幅広い人に開き、幅広い来館者を集めることは、ミュージアムの使命だともいえる。ミュージアムにおけるイベントは、その役割の一端を担うことができるではないかと考え、アジア美術館で開催されているイベントを事例として、鑑賞者開発の3つの要素、来館者の拡張、深化、多様化という視点から効果測定を行った。 その結果として、今回の事例からは、ミュージアムにおいてイベントを行うことは、既存の来館者の来館頻度の増加を促す深化の効果はあったが、ミュージアムの鑑賞習慣がある人々への拡張やこれまでミュージアムを利用してこなかった人への多様化はうかがえないことがわかった。今後、多様化や拡張を促すためには、イベントだけでなく、入館料や家族向けのコンテンツを増やすなどの様々なプログラムを組み合わせた戦略的な取り組みが必要なことが指摘できる。今後はミュージアムの社会的価値を高めるための取り組みについて継続的に調査・研究していきたい。
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[Int'l Joint Research] アジア美術館(米国)2017
Year and Date
2017-02-08 – 2018-02-21
Country Name
U.S.A.
Counterpart Institution
アジア美術館
Co-investigator Overseas
Maia Werner-Avidon
Department
Education Department
Job Title
Evaluation Manager
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