2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15KK0108
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
ダダバエフ ティムール 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10376626)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 新シルクロード / 中央アジア / 日中米ロの外交政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの目的は日本の対中央アジア政策の重要性に注目して、日本の対中央アジア政策を米中ロの政策と比較することである。本研究は、構築主義という国際関係学・政治学の方法論を土台としつつ、歴史学・文化人類学の知見と方法論を対照的に用い、複数のレベルでの総合分析(多国間、二国間そして草の根のプロジェクト・レベル)を行い、かつ経済、外交・安全保障、世論とアイデンティティの観点から比較を行ってきた。事例研究を通して検証し、日本の進める政策は中央アジア諸国の脱植民地化に貢献するのみならず、ロシアや中国という超大国との関係においても中央アジア諸国に日本というもう一つの選択肢を与えることになったことを指摘してきた。中央アジア諸国の国際社会との接触の課題も研究の対象にしており、①中央アジア諸国は日中露とどのように接してきたのか、その戦略はいかなるものだったのかを論じた上で、②中央アジア諸国と日中露がそれぞれ構築している地域的な外交枠組みの実態と相互の関連性を明らかにし、③中央アジアにおける日中露のソフトパワー構築の試みを比較し、それらが現在どの段階にあるのかを解明し、④中央アジア諸国と日中露の関係において政治的な信頼関係構築、天然資源、インフラ構築、企業進出といった要因はどのような意味をもつのかという問いを立ててきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の成果を日本国内に加え、高いインパクトファクター付きの国際的な学術雑誌に投稿し、著名な出版社の単著として公表している。同時に、今年度中の本成果をまとめ単行本2冊(Transcontinental Silk Road Strategies, Routledge社刊行、8月とChinese, Japanese and Korean In-roads into Central Asia,ワシントンEast-West Center出版、5月)を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における作業は多めに順調に進められている。課題としてあげられるとしたら、本研究の成果を2冊の単行本にまとめる予定であり、出版社が国際共同研究事業に優れているホノルルにあるEastWestC enterと世界的に著名な出版社のRoutledgeである。その編集作業、刊行とその刊行のプレゼンテーションが上記の出版 社の都合で遅れている。出版に際し、ホノルルとニューヨークに出張する必要があり、時期として2019年4月以降にずれ込む可能性が高いことから延長を申請することにした。
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Research Products
(10 results)