2017 Fiscal Year Research-status Report
非相似拡大的選好と内生的時間選好による動学的貿易理論の再構築(国際共同研究強化)
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15KK0122
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩佐 和道 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00534596)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 動学的貿易モデル / 非相似拡大的選好 / 内生的時間選好 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非相似拡大的選好および内生的時間選好のモデルへの導入方法、および動学的ヘクシャー・オリーンモデルの分析に関するこれまでの研究成果をもとにして、モデルの中で内生的に生じる家計の異質性を明示的に取り扱ったモデルを用いて、国際貿易と国内外の所得格差の関係等に関する理論分析を行い、有効な政策提言を行うことを目的とする。 この研究課題について、Gerhard Sorger教授(University of Vienna)およびReto Foellmi教授(University of St. Gallen)と国際共同研究を行う。Sorger教授は経済動学の分野でこれまで多くの優れた研究を行ってきた数理経済学者であり、Foellmi教授は国際貿易と格差に関して、主に需要面からの分析をこれまで行っている。 平成30年度1月より、University of ViennaのSorger教授のもとを訪れ共同研究を開始している。そして、家計の労働供給量が内性的に決まるモデルにおける定常均衡の安定性について分析を行い、景気循環が発生するためには余暇が劣等財であることが必要であることを明らかにした。結果の証明には、これまでの研究の応用である所得消費曲線による図解を利用しており、その方法の汎用性が確認できた。また、この結果は1国1財2生産要素のモデルで得られたものであるが、複数の国や財が存在する場合へとモデルを拡張し現在分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1月の共同研究開始から、既に一つの研究を完成させており、また次年度からの準備も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の4月からも引き続き、University of Viennaに滞在し、Gerhard Sorger教授との共同研究を進める。また5月には、University of St. GallenのReto Foellmi教授のもとを訪れ、それまでの研究で得られた結果について、実証データを用いた検証を行うとともに、Foellmi教授との新たな共同研究に着手する。
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