2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of dynamic trade models with non-homothetic preferences or endogenous time preferences(Fostering Joint International Research)
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15KK0122
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩佐 和道 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00534596)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 非相似拡大的選好 / 所得格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、モデルの中で内生的に生じる家計の異質性を明示的に取り扱ったモデルを用いて、国際貿易と国内外の所得格差の関係等に関する理論分析を行い、有効な政策提言を行うことを目的として、Gerhard Sorger教授(University of Vienna)およびReto Foellmi教授(University of St. Gallen)と国際共同研究を行った。 Sorger教授との共同研究により、家計が各期ごとに最適な財の消費量と労働の供給時間を決定する標準的な一部門成長モデルにおいて、周期解が発生する条件について、図を用いた分析により、周期解が存在するための以下の必要条件を求めた。「余暇が周期解の間の領域、もしくは周期解において、劣等財となっている。」このような周期解の周辺での条件を求めるためには、図を用いた分析が必須である。そして、標準的なモデルにおける周期解の存在に関する重要なこの研究成果は、Journal of Mathematical Economicsに掲載された。 Foellmi教授との共同研究では、非相似拡大的な選好のもとで、所得格差の拡大が経済成長の速度と経済の長期的な厚生水準に及ぼす影響についての分析を、シュミレーションも交えて行っている。長期的な影響については、各消費財の資本集約度が重要となるため、現在、実証的なデータの分析も行っており、その結果を間もなく共著論文として発表予定である。
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