2018 Fiscal Year Annual Research Report
CGE Analysis of trade and investment liberalizations in EPA(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0127
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
板倉 健 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90405217)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2018
|
Keywords | GTAP / CGE / FTA / EPA |
Outline of Annual Research Achievements |
21世紀初頭の世界では、貿易自由化に向けた協定が数多く締結された。しかし、2016年の米国大統領選挙以降、保護貿易主義への政策転換が強まり、2018年には米国による鉄鋼・アルミ輸入関税が相手国による報復関税を招き、さらには米中貿易紛争に至った。一方で、米国の環太平洋経済連携協定 (TPP)からの撤退表明にもかかわらず、2018年には米国抜きの11カ国がCPTPP協定(TPP11)に署名し同年末に発効した。
協定の経済効果分析のためCGE (Computable General Equilibrium) モデルが頻繁に利用されてきたが、貿易自由化効果に加えて投資自由化効果を同時に一般均衡の枠組みで分析した研究は少ない。本研究の目的は、貿易・投資自由化の経済効果を同時に分析可能とするグローバルCGEモデルを開発し、政策シミュレーションを実施することである。
Global Trade Analysis Project (GTAP) の本拠地である米国パデュー大学での研究成果として、次の点を挙げることができる。(1) 投資動学を組み込んだGTAPモデルに、投資環境整備によるリスクプレミアム低減効果を取り入れる手法を開発した。(2) 世界中で利用されている標準的なCGEモデルであるGTAPモデルを拡張して、Armington-Krugman-Melitzを整合的に包含した国際貿易モジュールを組み込んだ。(3) 拡張モデルの応用による研究成果をGTAP年次総会で報告した。(4) OECDとGTAPセンター共催のワークショップに招かれ、ベースライン構築のワーキンググループメンバーとして貢献した。
|