2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of improved mechanical ventilation model for recovery(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0131
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
関根 紀子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員准教授 (10393175)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 筋萎縮 / 横隔膜 / ミトコンドリア / 機械的人工換気 / 硫化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,血圧調整に関わる硫化物の投与が横隔膜萎縮を軽減する可能性について分析を行った.硫化物または疑似物質投与条件×人工換気の有無により4つの実験群を設定し,横隔膜収縮機能,筋萎縮の程度,ミトコンドリア呼吸機能,および活性酸素種の産生について評価を行ったところ,硫化物の投与による有意な横隔膜の保護効果が認められた.示された保護効果のメカニズムの解明のため,ミトコンドリア機能に着目して分析を行ったが,従来多く行われている分析手法では決め手となる結果が得られなかった.そのため,新たな分析方法を模索した.
本年度は,新たにフロリダ大学に着任したRyan博士や他の研究者らの助言を仰ぎ,ミトコンドリア呼吸機能の詳細な分析を行うための技術習得および環境構築を中心に実施した.フロリダ大学で新たな動物実験を行うための資格はビザの期限とともに消失していたため,主に日本国内での実験環境の構築を目指した.その結果,詳細な検討を要する改良点は残っているものの,横隔膜のミトコンドリア呼吸機能を詳細に分析する技術と実験プロトコルの構築をほぼ終えることができた.
また,昨年度フロリダ大学で作成した横隔膜サンプルを日本国内へ運び,追加分析を行ったが,硫化物が横隔膜を保護するメカニズムについて明らかにすることはできなかった.今後追加実験を行い,新たに構築した分析手法とともに本課題を明らかにする必要があるものと考えられた.なお,ここまでの研究成果については現在論文を投稿すべく準備中である.
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