2015 Fiscal Year Research-status Report
車椅子トータルサポートシステムの開発と有用性の検証(国際共同研究強化)
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15KK0142
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
古賀 元也 崇城大学, 工学部, 助教 (30635628)
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Project Period (FY) |
2015 – 2017
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Keywords | 福祉のまちづくり / 身障者支援システム / 先進事例調査 / デンマーク / コペンハーゲン / ヒアリング調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は,まちなかを訪れる健常者・障がい者の各主体が安全かつ安心してまちなか活動を楽しめるまちづくり「福祉のまちづくり」を実現することである。その実現に向けて,本研究課題では,まず2つの機能を持つ身障者支援システムを開発する。ひとつはバリアフリー整備案検討支援機能:まちなかのバリアフリー整備の効果を定量的にシミュレーションする機能(例:身障者トイレをどこに設置すると,どれだけ車いす使用者のトイレまでの時間,距離が短縮されるか,身体負担がどれだけ軽減されるか)。もうひとつは,車いすナビゲーション機能:車いす使用者が現在いる場所から目的地までの最も体の負担が少ないルート(疲れないルート)を検索し,案内する機能。これらは開発が進み,実用化に向けた実証実験によって有用性を検証している。本国際共同研究では,福祉のまちづくりの実現に向けて,日本では困難とされている身障者のまちづくり参加の支援のあり方,市街地整備の在り方といった問題に対し,アプローチする。 平成27年度(3月1日~3月31日の1か月)の取り組みは,本研究課題を本格的に実施する平成28年度に向けた準備期間であり,3年に渡り取り組んできた本プロジェクトのデータ整理,報告書の作成を行った。また,渡航先であるデンマークで,住民登録の申請や生活・研究環境を整えた。またコペンハーゲン大学の研究ミーティングを行い,より具体的な研究計画の作成に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題がスタートしてまだ1カ月しか経過していないが,当初,デンマークでの研究環境(デンマークの基礎情報の収集,整理)を整えるのにある程度の時間を要すると考えていたが,すでにデンマークに関する基礎情報がGIS上に整備されており,大幅な作業の短縮が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今デンマークは,高齢者,障がい者に対する充実した福祉政策だけでなく,まちづくりにおいても市民が参加し,意見を述べる体制が十分に整っている。またコペンハーゲン市内には身障者の駐車スペースが設けられており,発見しやすいサイン計画や違法駐車に対する罰則などソフト面においても先進的な取り組みが実現されている。身障者が参加するまちづくりの事例調査(車いす使用者,自治体へのヒアリング調査等)を行い,参加のプロセスとその効果を明らかにする。すでにヒアリング対象の候補は選定しており,これからアポイントメントとスケジュール調整に取り組む。
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