2016 Fiscal Year Research-status Report
全溶融地球の実験的再現:初期地球内部の物質分化過程の解明(国際共同研究強化)
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15KK0148
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 元彦 東北大学, 理学研究科, 教授 (50401542)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 超高圧マグマ |
Outline of Annual Research Achievements |
フランス、ブレーズパスカル大学のマグマと火山研究所におけるDenis Andrault教授の研究室へ滞在し、主にマントル物質の融解実験に関する研究を行った。ごく最近フランスのAndrault教授を含む研究チームが達成した、マントル物質及び沈み込むプレート物質の地球最下部マントル圧力付近までの超高圧力条件での、融解曲線の検証実験で用いた、光学系システムデザイン、実験手法及び実験データの解析手法を修得した。また、マグマと火山研究所に設置されたAndrault教授の超高温高圧実験室において開発中の、超高圧力条件下での熱伝導率測定システムに関する技術についても修得する機会を得た。また、パリ郊外にあるSOLEILと呼ばれる大型放射光施設での高温高圧その場X線回折実験にも共同研究者として参加し、炭素を含有するようなマントル物質の上部マントル付近での圧力状態での融解その場観察測定に成功した。また、超高圧力条件での水素および希ガスの振る舞いについてのエキスパートである、同研究所のNathalie Bolfan-Casanova CNRS上席研究員及びAli Bouhifd CNRS研究員とともに、初期地球におけるマグマの分化/進化過程についての議論を行い、本研究での実験成果について初期地球の分化過程に及ぼす影響について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初1年間滞在の予定であったフランスの研究機関への滞在期間が、申請者の海外への異動というやむを得ない事情により大幅に短縮せざるを得ない状況のなか、フランスの滞在予定先の研究者との事前の緊密な連携によって、予定されていた滞在期間での実験、解析計画の見直しを早急に進めることができたため、今回の滞在によって従来想定していた内容の研究の多くが達成された。しかしながら、1年間で検討していた実験内容をすべて達成することはできなかったため、研究内容はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた実験成果や共同研究者との議論をもとに、成果をまとめ論文として投稿する準備を行う。
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