2018 Fiscal Year Research-status Report
火星の海および表層氷の進化史:火星隕石の地球化学的解析からの制約(国際共同研究強化)
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15KK0153
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
臼井 寛裕 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (60636471)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 火星隕石 / 水 / 水素同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,表層水を保持していた唯一の地球外天体である火星に着目し,表層酸化過程に重要な役割を果たす,海・氷床の消失過程の解明を目指す。具体的には、年代の特定されている隕石から得られた表層水の水素同位体比を入力パラメターとする水散逸モデルを用い,各時代間で消失した表層水および氷の総量を推定する。また,各時代における水の総量(固体水+液体水)と,地形情報から推定されている海水量(液体水)との差分から,固体水と液体水の量比を推定し,惑星表面温度や大気組成といった表層環境を決定付けるパラメターに制約を与える。
H30年度は、表層に水が存在していたとされる約40-44億年前の情報を得るため、H29年度にInstitute of Meteoritics(University of New Mexico)より入手した火星隕石の水素同位体分析を行った。水素同位体分析は、引き続き共同研究先(カーネギー研究所)に設置されている二次イオン質量分析計(NanoSIMS 50L)を用いた。また、若手PDの加入により、当初予定していた水素同位体分析に加え、NanoSIMS 50Lを用いた局所での窒素同位体分析を行うことが可能となった。H30年度は、窒素同位体分析に関する予察的な検討(分析条件の最適化など)や、分析に必要な標準物質(窒素を含む深海性炭酸塩鉱物)の準備を行った。深海性炭酸塩鉱物の準備に関し、海洋研究開発機構と新たな共同研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究先のラボディレクターの死去により、当初の予定通りの分析が行えなかった。残りの分析に関してはH31年夏以降に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度より、本プロジェクトに若手PDが参画することとなった。若手PDとの作業分担を行うことで、データ解析および論文化を加速する予定である。具体的には、隕石の初期記載、同位体分析に必要は標準物質の準備の作業分担を行う代わりに、一部の論文に関しては、PDが筆頭著者となり報告を行う。
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